2012年11月25日

漢方知識の浅い医師から投薬を受ける危うさ

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IMG_0604 posted by (C)ヒゲジジイ

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年齢 : 20歳〜29歳の男性
簡単なご住所 : 関東地方
具体的な御職業 : 大学院生(博士)
お問い合わせ内容 :

 アトピーと不安症、過敏性腸症候群と診断されています。
 吐き気とふわふわめまいがあります。
 食べ物も食後、なかなか移動せず、戻ってくる感じがあります。
 消化も悪く、一部そのまま出てしまうものもあります。
 たまに下痢してしまう事があります。
 以前は,下痢後下腹部が冷えていたのですが,最近はなくなりました。

 尿意、便意を感じる時に顔に熱感を感じます。
 夏には,汗も吹き出す感じでした。

 吐き気などに対し、半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)、神経症や背中、肩の凝りに対し、加味逍遥散(カミショウヨウサン)、下痢に対し、小建中湯(ショウケンチュウトウ)、補中益気湯(ホチュウエッキトウ)などを使っています。

 顔の火照りに、柴胡清肝湯(サイコセイカントウ)なども用いています。

 最近は,便がべたついて,お腹に残りやすいようです。
 そのべたつきが気持ち悪く,お腹に違和感があります。

 お腹は,以前に痛みがあったので、胃カメラ,大腸カメラを受けましたが、異常ありませんでした。
 イリボーは、効いていましたが、対処療法のような気が気がして止めてしまいました。
 メンタル面の薬(リーゼ)も同じです。

 今行っている医者が,切診、脈診、舌診などを毎回行わず,適切なエキスが出ているか心配なので,ご相談差し上げました。

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IMG_0629 posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:

 現在の配合で症状が緩和されているのであれば、結果オーライと言えますが・・・但し、舌診すら行わない医師による漢方診療とは、些か驚きです。

 ところで、メールでこちらに相談されても当然のことながら限界があるので、少しのアドバイスしかできませんが、配合上の大問題は、現在服用されている漢方薬のいずれにも甘草(かんぞう)という成分が含まれ、すべての方剤で重複していることです。

 合計すればかなりな分量となり、長期間これらを連用すると甘草中に含まれるグリチルリチン酸により血清カルシウム値が低下して偽アルドステロン症を生じる可能性が心配されます。
 これより高ナトリウム血症、低カリウム血症、浮腫や高血圧などが生じる恐れがあるということです。

 このような配合をなされる医師は、ほとんど漢方薬に無知であろうと言わざるを得ません。
 漢方の知識と経験の豊富な医師か薬剤師(漢方薬局)に移られたほうが無難なように思います。

 取り急ぎ、お返事まで。

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ラベル:甘草の副作用
posted by ヒゲジジイ at 06:38| 山口 ☀| 病院の保険漢方による誤投与あるいは危険な配合 | 更新情報をチェックする