ノゴマ(雄) posted by (C)ヒゲジジイ
さきほどテレビを見ていたら、「人生を変えた本はあるか?」というアンケートに2割の人がアルとこたえたという。
秋の気配が濃厚になった昨今、せっかく鳥さんたちがにぎやかになって来て、鳥撮の成果を得てもブログにアップする口実がなかったので、お茶濁しにヒゲジジイの「人生を変えた本」のことでも書いてみたい(苦笑。
すでに2006年10月20日自殺の誘惑から救ってくれた本:鈴木大拙著「禅の思想」で書いているが、そのほかでもやはり鈴木大拙著の「日本的霊性」の影響も無視できない。
中学生の頃より新古今和歌集には共鳴できても、古今集やとりわけ万葉集にはほとんど些かの感動も得られない自身の感性の理由を判然と説明してくれた書籍が、この「日本的霊性」であった。
心は万境に随うて転ず。
転処実に能く幽なり。
流れに随うて性を認得すれば、
喜びなくまた憂いもなし。
これは初祖達磨大師の「二入四行観」の中に書かれている五言絶句であるが、本書「禅の思想」に取り上げられ、鈴木大拙翁によって解説されている。
解説を読むまでもなく、これに目を通した瞬間に雷に打たれたように世界観が変わった経験を持つ。
1960年代末の大学紛争が熱に浮かされたように日本全国を蔓延していた頃、あの馬鹿騒ぎに同調できないどころか、憎悪の念をいだき続けていた。
そんな最中、突然、三島由紀夫氏が割腹自害により憤死された。
多言多慮、
うたた相応ぜず。
絶言絶慮、
処として通ぜざる無し。
三祖僧璨大師の「信心銘」のこの一節、その日、一日中頭の中で繰り返し唱えていたことが忘れられない。
三島氏が亡くなった後、自殺する意味を失った。三島氏が亡くなった後の腑抜け国家の行く末を見届けてやろうと思った。
━2006年10月20日 自殺の誘惑から救ってくれた本:鈴木大拙著「禅の思想」より引用
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