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無知とは恐ろしいものである。
寒熱が真逆な方剤でも、六味丸が共通だからといって杞菊地黄丸が保険漢方にないからといって強引にツムラの牛車腎気丸で代用しようという眼科医。
飛蚊症を治してほしいと眼科に通っても治らず、結局は当方に漢方相談に見えた男性は、過去、重症の慢性蕁麻疹を茵蔯蒿湯とイオン化カルシウムの併用で治まり、現在まで数年服用し続けている人である。
蕁麻疹の引き金になったアルコールを続けたいが為に、漢方薬を悪用して両者を一生飲み続けるつもりでいる。
くだんの飛蚊症も、既に活血化瘀作用もある茵蔯蒿湯(含有する大黄には活血化瘀作用あり!)を常用されているので、杞菊地黄丸を併用してもらったところ、半年?くらいでほとんど消失するに至った。
診てくれていた眼科の先生も飛蚊症があるといっていたので、自分の飛蚊症も治せない眼科に通う矛盾も感じたので、眼科の先生に杞菊地黄丸で治ったことを申告すると、保険漢方にも似た薬があるかもしれないので、調べて連絡してあげるとのことだった。
しばらく経って、眼科の先生から電話がかかり、似た処方があったので取り寄せているので取りに来るようにとの連絡だった。
それがこのツムラ牛車腎気丸であり、疑問に思ったので帰りに当方に立ち寄られたのだった。
牛車腎気丸が杞菊地黄丸の代用になるなんて、その医者は漢方薬を扱う資格はない、村田漢方堂薬局のヒゲジジイが「バッカジャナイノッ!」といっていたと伝言するように伝えた。
そもそもこの男性は五月から続く蕁麻疹(じんましん)治療に難航した挙句に医療用の五苓散を出されて猛烈に悪化した過去のある人である。
おそらく五苓散中のシナモン(桂皮)で増悪した可能性が大であるのに、桂皮のみならず辛燥大熱の附子も配合された牛車腎気丸など以ての外である。
こらだから医師の投与する漢方薬は恐ろしくて見てられないし、患者さん側にしても過去のツムラ五苓散による蕁麻疹の急激な悪化の経験も忘れ、医師の診断はたとえ漢方薬でも高度な知識を有しているものと半信半疑ながらでも半分は信じていたというのだから、オメデタイ。
もしも眼科医の奨めに従って自費の杞菊地黄丸の購入をケチって、保険漢方のツムラ牛車腎気丸を服用しようものなら、蕁麻疹悪化の原因ともなっていた酒類を止められない日常から考えても、茵蔯蒿湯とイオン化カルシウムを常用していても、過去の頑固な蕁麻疹歴から類推するに牛車腎気丸中の附子と桂皮(桂枝ではない)に反応して、蕁麻疹が爆発的に再発する危険性が大きいことは言うまでもないことである。
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