現在、村田漢方堂薬局の漢方薬を利用されている人で、ニンニクが豊富に含まれた健康食品を常用している人があったら即刻中止して欲しい!
とりわけ炎症性疾患を持つ人では禁忌である。
たとえば、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、慢性咽喉炎や気管支炎・気管支喘息、慢性肝炎、慢性腎炎や腎不全、関節が赤く腫れている慢性関節リウマチ、高血圧、鬱病系統の人達で顔がよく火照っているタイプの人。目が充血しやすい人、汗かきや暑がりの人など、いずれも当方で漢方を利用されている人で、こっそり当方に相談もせずにニンニク食品を常用されている人があったら、いずれも逆効果だから即刻止めて欲しい!
中医学的にはニンニクは大蒜(だいさん)と称し、性味は辛温、帰経は胃・大腸経であるからなおのこと、辛温のニンニクを過剰に摂取すると嬌臓(きょうぞう=デリケートな臓器)である肺系統を損傷し兼ねない。大腸経と表裏をなす肺経には直撃に近いのである。
だから肺の外竅である鼻(蓄膿症)、肺の門戸である咽喉(慢性咽喉炎)、脾肺病であるアトピー性皮膚炎などに対する影響は直撃に近く、気管支に対しては殆んど直撃である。
つまり、咽喉腫痛を繰り返す体質者や黄色の膿汁が付き纏う蓄膿症に対して悪化させるにはもってこいの食品ではあっても、多少とも有利に働くことは断じてあり得ない。
アトピー性皮膚炎などで風呂上りに猛烈に痒くなるタイプであれば、間違いなく逆効果!悪化しても当然である。
今後さらに問題になるであろう可能性を指摘すれば、熱証患者が長期に亘って多量にニンニクが含まれた健康食品や医薬品を摂取し続けると、気管支に関しては間質性肺炎を疑いたくなるような事例が出てきてもおかしくない現代社会である。
寒熱を無視した健康食品の乱用が目立つ現代社会では、お金を出してみずから慢性自殺の道をひた走っていることを知らずに、宣伝文句に釣られて健康食品だから身体に良いと皆が信じて疑わない。
これを「衆愚」と言わずして他にどのような適切な表現方法があるだろうか?
困った実例として次のような二例が立て続けに発覚した。
一つはリウマチを悪化させていた事例。
健康食品のニンニク含有製品が邪魔していた漢方薬の効き目
もう一つは慢性咽喉炎と目の充血を徹底的に悪化させていた事例。
咽喉腫痛を伴う風邪を繰り返す体質改善にニンニク食品を取り続ける重大なる錯誤
いずれの事例も、ニンニク食品(卵黄油入り)は健康にトテモ良いと信じ込んで、まさかこんなに悪影響どころか、病気を悪化させていたことを指摘されるまで、まったくの想定外であったそうで、当方に申告する必要性を全然感じていなかったというから、よけいに恐ろしい。
だからシロウトというのは恐いもの知らず、無知ほど恐ろしいものはないのである。
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