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「保険はききますかっ?」というとんでもない質問が病院でもない薬局にかかって来ること自体、まったくもって不思議でならない。
病院でもない市井の漢方薬局の漢方が、保険とは無縁であることは常識中の常識である。
保険がきくと経済的に有利だからという理由で、保険ホケンとさがしまくる気持ちも少しは分からないでもないが、こちらは保険漢方を求めるレベルの人達とは無縁の漢方薬局である。
そこで自費の漢方と保険漢方の違いである。
保険漢方の最も代表的な製剤がツムラ漢方であるが、その種類は限られ、自費の漢方薬の種類の豊富さと比較すれば、まるで足元にも及ばない品目数である。
保険では適用されない極めて豊富な多種類の製剤が自費の漢方には存在する。
だから病院の保険漢方で治らなかった人達でも、自費の漢方ではしっかりと弁証論治にもとづいた適切な方剤類を選ぶことによって優れた効果を発揮させることが可能である。
かてて加えて、自費の漢方では保険漢方にしばしば見られるような白朮(ビャクジュツ)を安価な蒼朮(ソウジュツ)で代用した錯誤した製剤は滅多に存在しない。
つまり、自費の漢方製剤には六君子湯や補中益気湯、帰脾湯などの重要な補剤中の白朮を蒼朮で代用するような無知蒙昧な製造メーカーは滅多に存在しない。
半夏瀉心湯などでも正しく乾燥生姜が使用された製剤を使用することが出来る。このような正しい半夏瀉心湯製剤は、保険漢方の半夏瀉心湯にはまったく存在しない!
つまり、飴色になるまで湯通ししたまるで煨姜(ワイキョウ)や炮姜(ホウキョウ)もどきの乾姜とは名ばかりの錯誤した乾姜が使用された間違った製剤をできるだけ避けることが出来る。
意外に知られて無いことだが、自費の漢方エキス剤の製造メーカーは各社競争が激しいので、優れた製剤を提供しなければ、漢方専門の薬局・薬店から見捨てられて使ってもらえなくなるから、必然的に各社良質な製剤を提供する努力を怠ることができない。
経費削減のためにと原料生薬を値切って安物の原料を使用すると、覿面効果に現れるので直ぐに販売店からそっぽを向かれる宿命にある。
折々にかかる「保険はききますかっ?」の愚問電話には本当にうんざりですよ。
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