2012年07月09日

名著だと思った中医学関連の書籍類

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XSC_1538 posted by (C)ヒゲジジイ

 昨今では日々の漢方相談が終わるとぐったりと疲れて、以前ほど専門書を読めなくなった。牛黄製剤の服用で何とかこの世に生息しているが、何せ若い頃よりも疲れる。
 以下、愛読書陳潮祖先生の「中医病機治法学」や張瓏英先生の諸著作は別格として、一昔前の中医書類だけど、とても勉強になった書籍類のメモが残っていたのでここに転載してみたい。(ブログのお茶濁しですよっ・・・苦笑。)

 ●「難病奇治」朱進忠著(科学技術文献出版)は、題名通り、難病、奇病に対する治療学の本であるが、多くの難病奇病を肝病として論治すべきことの立論で、具体的な臨床例も豊富。中医学における肝の重要性をあらためて認識させられる。このような良書は早く翻訳出版されるべきでしょう。

 ●「風火痰瘀論」章真如編著(人民衛生出版社)は以前、通読した折に中医学の奥深さに興奮したものでしたね。たしか日本語訳も東洋学術出版社さんから出されていて本棚にあるはずだけど・・・

 ●「気血病論治学」(北京科学技術出版社)は、重要な気血について知識の整理と基礎学習徹底の為の良著。臨床例も豊富。

 ●「処方綱要」(陝西科学技術出版社)は、臨床時の処方方法の実際的な指導書で、この類の書物は中医学書の中でも珍しい。実際の具体的臨床例も豊富なだけに実践的な中医学を学ぶには大変重宝。

●「中医理論辯」瞿岳云編著(湖南科学技術出版社)は、教科書中医学の欠点を指摘・訂正するような内容で、臨床実践に即した視点から説得力のある中医理論を展開している。例えば「肝は中焦に属するもので下焦に属するものではない」との論などは絶品である!これはヒゲジジイによる翻訳がある。

 ●「脾胃明理論」陸拯(中医古籍出版社)は、数ある脾胃学専門著書の中では、一番優れているように思われる。例えば、第六章「脾胃から論治すべき心肝肺腎病」、第七章「脾胃から論治すべき腑病」、第八章「他の臓腑から論治すべき脾胃病」などの親切な記載は他書では見られない。 

●「景岳全書」(人民衛生出版社)は、この点校本出版のお陰で大変読みやすくなった。とは言え、なにせ膨大な分量であるから原書での通読はやはり少々骨が折れる。内容の優秀さは周知のものだけに、日本での翻訳出版が大いに期待される。

 ●「症例から学ぶ 中医弁証論治」焦樹徳著・生島忍訳(東洋学術出版社)は、理解しやすい翻訳のお陰で、臨床の実際を学ぶ絶好の書籍である。また、中医学の今後の発展のために「症」「証」「病」のしっかりした見解を提出される著者は、「症」の字を一切使用されないベテラン中医師が今なお多い中国にあって、大いに傾聴に値する。

 ●「実用中医内科学」日本語版(東洋医学国際研究財団)発行の原著を以前から愛用し常に紐解いていたのが、この日本語版のお陰で随分楽になった。このような大著の翻訳書籍を実現された桑木先生等の御努力には深く感謝。

 以上のメモは平成3年頃のものであり、『漢方の臨床』誌などの念頭の挨拶の下書きにしていた模様で、これらの最後に
以上に限らず、中医学書には思わず膝を叩きたくなる指導書が氾濫している。日本の漢方界も、もっともっと頑張って欲しい。
 日本には独自の傷寒論研究による「異病同治」の発展的な領域があるのだから、この分野を押し広げ理論的根拠をしっかりと確立しつつ発展させる為に、今直ぐにでも中医学理論を導入すれば優れた東洋医学世界が開けてくるのではないかと思うのだが。
 とい文章が最後に置かれていた。

 ネットでしらべたら漢方と漢方薬の将来のためにという開店休業中のブログの2006年6月2日付けで同じメモをもとに転載したものが残っていたので、そちらは削除した。

ZZZZ6405
ZZZZ6405 posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 23:42| 山口 ☁| 漢方薬や中医学の学習方法および懐かしい拙論 | 更新情報をチェックする