2012年06月22日

メール相談の限界━葛根湯を愛用される人が苓桂朮甘湯や牛黄では動悸・発熱・息苦しさなどの不快反応

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ESC_0614 posted by (C)ヒゲジジイ

おたより:東海地方の美人薬剤師

 6月16日の熱中症のブログの処方をみて、真底驚いてしまいました。
 服用された方はさぞ辛かったことでしょう。

 それにしても、ここ3年ほど、このような症状で悩まれる方の多いこと。
 それだけ気候の変化が激しいということでしょう。
 特に、寒冷が続いたのち、いきなり温度が上がる現象がここ数年続いており、十分に体が順化できないことが大きな原因のようです。

 これらの症状に悩まれる方の傾向として、
1,ガン治療、強い薬物治療、長い持病などで、体力を消耗している方
2,更年期に入り、肝血、腎陰が不足し、ホルモンバランスが乱れている方
3,ストレス、過労、寝不足、運動不足等の不養生がたたり、自律神経のバランスが崩れている方
 が多いようです。

 西洋医学的には、エネルギー産生されたATPの7割は基礎代謝に使われるそうで、その大半が、暑さ寒さ、気圧の変化、湿度の変化等にまかなわれるそうです。
 基礎代謝が落ちて、持ち分のエネルギーが少なければ、当然こういった環境の変化に対応できず、体に不具合が生じてきます。
 中医学的には、気血津液精が足りていないか、うまく巡っていないというところでしょうか・・。

 特にこちらでは、気虚湿熱型の方と気陰両虚型のタイプが多く見られ、中には矛盾するようですが、この二つの性質が混在するタイプも見られ、舌もコロコロと変化することがありますので、注意深く弁証し、微調整せねばならないことも多いようです。

 おとといの台風通過の日は、”今日はこんな暴風雨なので、ヒマな一日になりそう・・・”と、たかをくくっていたら、眩暈、動悸発作で来店する人、電話相談等がひっきりなしで、夕方まで昼ご飯お預け状態になりました。
 こちらの薬局で気圧の変化を観測していたのですが、何とたった8時間で32ヘクトパスカルも急降下していたのですから、無理もありません。
更年期の私自身も、3年前だったら、倒れていたかもしれませんが、必死で2年間、肝腎不足を補った結果、びくともしませんでしたよ!

 とにかく、根気が入りますが、このような状態で悩まれる方は、普段から軽い運動を心がけて、汗をかける体(熱を籠もらせないこと)になっておくことや、温冷浴、乾布摩擦、耳の温灸等で、自律神経の反応と左右のバランスの調整を行っておく養生が必要ですね。

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IMG_7964 posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:いつもブログへのご協力ありがとうございます。

 熱中症が増えるこの時期、こちらでも通常の弁証論治にもとづく方剤ですんなりと解消する人が多いのですが、弁証論治が面倒な人は単味の牛黄製剤でも著効を奏することが多いので、牛黄の愛用者は尽きません。
ところが、この牛黄、各社、牛黄の仕入れ価格が高騰して悲鳴を上げており、こちらも仕入れ価格が高騰してやりにくい世の中です。

 それはともかく、前々回のブログの熱中症後遺症の女性にも、次善の策として牛黄単味のカプセルを試してもらったのですが、何となんと、これだけ条件が揃っているのに、牛黄を服用して数時間もしないうちに、動悸と発熱と呼吸の苦しさを発するというのですから、次回の服用を断念してもらったところです。

 やはり遠方でのアドバイスは不可能なので、直ぐに効果はでなくとも、地元で気の会いそうなところで気長く通い詰めるのがべきだという結論でその後のアドバイスは終了しました。

 動悸・発熱・息苦しさといった牛黄の最も得意とするところですが、牛黄を服用してさえ、このような不快反応が生じること自体、矛盾だらけで、この調子ならあらゆる漢方薬で不快反応が生じかねないので、これ以上のアドバイスは打ち切らせてもらったところです。

 なお、さらに不思議なことは、首の真裏を冷やして気持ちが良いといわれる人が、折々に葛根湯を愛用されていて、この葛根湯による不快反応はなく、むしろ愛用されて平気だというのですから、このような矛盾した反応の申告にはもはやメールでのアドバイスは困難であり、たとえ直接来られても対処不能であろうとさえ思わせるお話しばかりでした。

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ESC_0391 posted by (C)ヒゲジジイ



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