2012年05月17日

医師による保険漢方の誤投与はこうして繰り返される

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IMGP5110 posted by (C)ボクチンの母

おたより:東海地方で漢方専門薬局経営の美人薬剤師

★病院漢方のテイタラク

 ご無沙汰いたしております。
 寒暖の差が激しく、毎日自律神経が揺さぶられますね・・・。
 風邪をこじらせる方、胃腸風邪っぽい症状、めまい、動悸、息切れ等の方がこちらは非常に多いこの頃です。

 今今帰られた方の話があまりにひどかったもので、思わずメ〜ルをしてしまいました。

 この方、陰虚内熱があって、脈拍が130ほどあります。
 親の介護で睡眠不足に陥っており、心悸と不眠が続いていたのを、友人に話したそうです。
 すると、その友人は、”柴胡桂枝乾姜湯”で、動悸をはじめとする自律神経諸症状が治まったからと言うので、某大病院の診察ついでに、それを出して欲しいと訴えたそうです。

 すると、その大病院の医師は、”うちには、柴胡桂枝乾姜湯はないが、それに最も近いもので、柴胡桂枝湯があるから、それを出してあげるわ”と、ろくろく症状も聞かずに処方されたそうです。

 それに近いって???こういったレベルで処方される日本漢方・・・許されるのでしょうか?
 まったくもって、憤慨です。

 この方、幸い柴胡桂枝乾姜湯を出されずにすんで良かったですが、当然、柴胡桂枝湯でも具合が悪くなりまして、こちらへやってこられたのですが・・・。

 へたをしたら、命取りでした。

 私達、毎日真剣勝負で弁証論治しているのに、患者も医者もどうしてこんなに安易なのでしょうね?

 漢方に限ったことではなく、たまたま診察に行ったときの血圧がちょっと高めだったからといって、降圧薬を追加処方され、フラフラになって3回も倒れた高齢者、症状を一言言ったら、どんどん処方が追加され、とうとう20種類を越える薬をのんでおられる方、たいして熱も腫れもないのに、風邪ですね・・・と抗生剤が出て、具合を悪くしている方など、言い出したら切りがなく・・・・。

 こんな医者もいるということ自体、日本の医療が危惧されますね。

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お返事メール:おひさしぶりです。

「とんでもない」お話し、ありがとうございます。
 陰虚内熱で脈拍が130もあれば、六味丸にミンハオでも加えるならまだしも、柴胡剤ですかっ!?
とんでもない話ですねっ。
しかも柴胡桂枝乾姜湯も柴胡桂枝湯も一緒くた。

 以前、咳の漢方薬として小青竜湯と麦門冬湯のどちらでもよいけど、と患者さんに「小青竜湯と麦門冬湯のどちらでも良いと医師に言われながら出された小青竜湯に疑問をお持ちの親御さんからのお問合せ」 という、実に見事なほど頓珍漢なお医者様がおられましたが、まったく同類としかいいようがありませんねっ。

 本来なら、当時の元厚生省のE課長さん(ずいぶん前に厚生省を去られてしまった)のような聡明な役人さんがそのままおられたら、きっと日本漢方に中医学を合体させた中医漢方薬学が医師の間に広まって、今頃、漢方薬局の存在は風前の灯火となっていたはずなのですが・・・

だから言わんこっちゃない!24年前に提唱した中医学と日本漢方を合体させる「中医漢方薬学」論を忌避し続けたツケが今になって回って来ただろうがっ!」というお陰で、漢方薬局がのうのうと存在出来るのですから、なんとも皮肉なものですね。

 お医者さんこそ我々薬剤師以上に真摯な方が多く存在されるのは間違いない事実ですが、ヒゲジジイの紹介を良いことに、各漢方メーカーに無理難題を突き付けて「医者の常識は世間の非常識」ぶりを発揮して、人の顔に泥をぶっかけて逃げた卑劣な医師にもあきれ返ったばかり。

 ともあれ、医は算術とばかり、何の基礎もない癖に、弁証論治抜きで漢方処方を安易に投与するとんでもない医師も無数に存在するのですから開いた口が塞がりませんが、やっぱりそのお陰で世の中の漢方薬局が存続できるという皮肉な現実。

 軽蔑するよりもむしろ本当は彼らに感謝すべきなのか?! と、皮肉な矛盾を感じる昨今です(呵呵。

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posted by ヒゲジジイ at 20:50| 山口 ☀| 病院の保険漢方による誤投与あるいは危険な配合 | 更新情報をチェックする