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昨夜のNHK総合テレビのクローズアップ現代の特集番組「伝統医学、漢方、水面下の覇権争い」というテーマの放送があった。
漢方薬の原料生薬が高騰している問題もさることながら、もっとも注目すべきは中国が自国の伝統医療、すなわち中医学を国際標準としてISO(国際標準化機構)に働きかけている問題である。
このままいけば日本の伝統医学(漢方医学)が損なわれるだけでなく様々な方面で云々と論じられた。
だから声を大にして言いたいっ!
24年前、基礎理論が脆弱な日本漢方は早急に中医学理論を取り入れることが急務であることを声を大にして各専門誌に村田恭介(昔のヒゲジジイ)が「中医漢方薬学」論を提唱し続けていたではないか。
その論旨に賛同された人の中には、当時(平成元年)の厚生省薬務局 安全課長のE氏も製薬メーカー137社を招集して講演された折に拙論「日本漢方の問題点」をしっかり取り上げて下さり、このままで日本の漢方は良いのだろうか?という趣旨の発言をされている。
(E氏のご講演文のすべてが当時の『日漢協・企画委員会』平成元年5月23日付けで活字にも起こされている。)
ところが、その後の日本漢方が辿った道は、ヒゲジジイの提唱とは真逆の方向へと進み、西洋医学の軍門に下って手術後に大建中湯、認知症に抑肝散、アレルギー性鼻炎に小青竜湯などという病名治療に堕する最悪の方向に突き進んだ。
こんなもんが、どうして日本の伝統医療と言えるのかっ!?
少なくとも24年前、村田恭介(昔のヒゲジジイ)が各専門誌に発表し続けていた「中医漢方薬学」論の方向へ半分でも進んでいたら、こんなに慌てふためくことも無かったはずである。
あとの祭りとはこのことである。
昨年の地震といい、原発問題といい、日本の学者さんたちのレベルの低さが、この日本の伝統医学においても世界に暴露されてしまった現実に、いまさらヒゲジジイを逆恨みしもどうしようもないだろう。
性懲りもなく日本の伝統医学があると自惚れても、それを誇るに足る代表的な書籍もいまだに何一つ出版することも出来ず、ヒゲジジイの問題提議を忌み嫌って忌避し続けたツケが、今になってやって来たとしか言いようがないだろうっ!!!
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