2006年11月02日

ネットを見たと言われて特定の漢方処方を指名買いしたがる不思議なお問合せ

 本来、今回の内容は漢方と漢方薬の将来のためにに掲載すべき内容だが、クリックしてもお休み中らしくジャンプできないので、本ブログに書くことにした。

 薬局店頭と発送の準備などで慌しい午前中に入った電話が、相変わらずネットで当方のHPを御覧になったという割には、御覧になっただけで、全然通読されてない証拠に、特定の処方を指名するお問合せである。合ってるかどうかも分からない素人の指名には絶対に応じない村田漢方堂薬局であるから、応対に出た女性薬剤師が売れない旨を説明すると、それじゃ〜〜直接出向けば売ってくれるかと切り返されるので、ますます売れない旨を伝えて電話は終わる。

 当方に直接来られた人ならよくご存知のように、真剣・真面目な御相談で、ウソでもいいから当方の知識と技術を一旦は信頼する態度を示すマナーを心得た人には、誠心誠意、ない知恵を絞り抜いて、仕舞いにはへとへとになっている様子を目撃した人は多いはずである。息継ぎに哲学の煙が少々必要なことは、常連さんなら皆承知のことだが、これはまた別問題。

 話は戻って、先のお問合せのように、行けば売ってくれるか、という横柄な態度からして、漢方薬といえどもれっきとした医薬品なのであるから、ますます販売を手控えることになる。うっかり指名の処方を販売して、効果がなかった場合にトラブルを生じやすいのが、きまってこのような高飛車な相談客なのだ。医師の前ではへこへこでも、薬剤師に対しては、どうせ薬屋風情(フゼイ)が、という言動が気に食わない。

参考文献:書評:イヤな客には
お客様は神様ではない! 「イヤな客には売るな!」石原明著(PHP研究所)

 常に世の中を斜めに見るヒゲジジイは、相手の出方に応じて態度が豹変する。「君子は豹変す」とは同様の意味も含まれている筈だ。
 幸か不幸か永久に君子にはなれなくとも、漢方と漢方薬の専門家であると自認している。

 第一、金を出せば何でも買えるという雰囲気が気に食わない。専門知識と知恵は、金だけでそう簡単には買えるものではない。
 金も要るには要るが、最低限のマナーも必要なのである。
 最低限のマナーといっても、慇懃無礼というものもあり、気難しいヒゲジジイの本音は、純粋真っ直ぐ素直な態度で、お互いに変な駆け引きなしで、本音でぶっつかり合える人だけを受け入れているということだ。

 不遜な奴だと思われるなら、村田漢方堂薬局を避ければよいだけのことだ。

追記
 午前中の電話に続いて午後には、お宅がいいって人に聞いたが、電話相談だけで漢方薬を送ってもらえないか、というお問合せである。
 何ともお気楽・お気軽なものだが、同じことを病院に頼んでみるがいい。
 もちろん、医師の病院と、薬剤師の漢方薬屋とは、資格が違いますがね。

 但し、薬剤師は医薬品の専門家なのですよ、資格上はですね。薬剤師の国家試験に合格した者だけが資格を得るのですよ。のみならず当方には長年、専門とする漢方薬だけでメシを食って来たという矜持があります。(ない人もあるでしょうが・・・)だから、一度も来られたこともない人に、安易に電話相談だけで漢方薬を販売する訳にはいきませんよ。
 その詳細は、直接面談による詳細綿密な漢方相談という場所にも書いてあるのを発見してみずから驚いている。
posted by ヒゲジジイ at 13:38| 山口 ☀| 繊細でデリケートなヒゲジジイ | 更新情報をチェックする