2012年04月06日

熱中症の後遺症としての諸症状

シジュウガラ
シジュウガラ posted by (C)ヒゲジジイ

【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾
【 年 代 】:40〜49歳 の女性
【 職 業 】:会社員(事務系)
【 地 域 】:中国地方
【 お問い合せ内容 】:
 昨年の6月に炎天下の中、家庭菜園を数日してましたら熱中症のように頭がグラグラし、その時は涼しい所で寝てたら治りましたが、それから3日後いきなり頭がフラフラとしたので病院に行きましたらデパスを1カ月処方してもらいました。

 デパスを1週間飲んだ頃にフラフラ感も無くなり体調が改善されましたが1カ月続けて飲みました。
 その後再診し、デパスは不要となりました。が、デパスを服用しなくなって3日後、今度はグラグラ感や不眠、動悸がでてきました。

 CT・MRT・耳鼻科異常なし、少し貧血気味。心療内科で不安症と言われ、デバス処方されましたが今度は服用しても体調は変わらず。現在はリーゼのみ。

 約1ヶ月前より漢方医に診てもらい肩こりから来るものと診断で針と漢方薬を処方してもらうが、あまり効果はない。現在は、不眠はありませんが、常時のフラフラ感と朝、後頭部のグラブラ感で目が覚めます。

3/14 ツムラ抑肝散エキス顆粒×7日 ⇒ あまり変わらず。
   コタロー半夏厚朴湯エキス10回分 ⇒ 少し動悸が治まったような気がする。

3/21 コタロー半夏厚朴湯エキス10回分
   ジュンコウ苓桂朮甘湯FCエキス細粒医療用×めまい時 ⇒ あまり変わらず

3/28 防眩湯(煎じ薬)
    半夏・芍薬・白朮・山茱萸・陳皮・当帰・地黄・川きゅう・釣藤鈞・天麻、各4g。
    党参28g。  7日分。

 上記煎じ薬を呑むと身体が熱くなり、頭がグラグラとします。6日間我慢して飲みましたが 改善されません。
 飲用前はフラフラが今はグラグラとし、少し歩いて座ると大きなぐらつきが します。
 微熱感もずっとあります。

 中肉中背、便秘気味です。フラフラ感はお風呂に入ると少し改善しますが、飲食店など湿気が多く暑い所に行くと頭がグラグラします。

 血圧は健康な時は110ぐらいでしたがグラグラ感がでてからは低くなり最高血圧は100前後です。

 器質的にはどこも悪くないようなので、どうしたらいいか途方に暮れております。
 上記情報では少ないとは思いますが、ご意見をお願い致します。

シジュウガラ
シジュウガラ posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:
 熱中症からはじまったフラツキとて、こちらでも昨年は劣悪な職場環境による慢性的な熱中症に罹り、めまいやフラツキが取れなくなった人達には、多くは清熱舒筋法を主体に温陽利水の方剤を併用するなどして、かなり速効が出たケースが多かったのですが、いずれの人達も昨年一杯は継続服用していたようです。

 また今年になっても、昨年の夏以来続くふらつきと不眠に悩む女性が、やはり夏の暑さだけでなく、昨今の職場の暖房で、ふらつきと不眠が続き、たまらなくなって来られた人がいます。

 もともと以前にも吹き出物などで当方を利用されていた人なので、弁証論治が容易で、舒筋清熱法の方剤を一種類だけを1ヶ月服用した時点でかなり速効が出て、不眠は治り、ふらつきもほとんど感じなくなったと言っています。

 いずれも地元近辺の人達で、もともと当方で緑内障を寛解させていた人や、虚弱体質で常に漢方薬を利用されていた中年女性や、上記のように吹き出物治療で利用されていた人など、体質をもともと知っている人達だけに、容易にフラツキを治すことが出来たのだと思います。

 貴女の場合は、暑さにやられた模様ですので、現在も上焦(上部)に鬱熱が停滞したままであるのかどうか?は文面だけでは確認できませんが、その場合はやはり「肩こりから来る」というよりも潜在的に頚椎症を伴っていたのかもしれません。

>飲食店など湿気が多く暑い所に行くと頭がグラグラ

という記載から考えると、やはり上焦に湿熱が停滞している可能性も高く、

>フラフラ感はお風呂に入ると少し改善しますが

ということからは、オケツ(血の滞りなど)も伴っている可能性もあり得るので、もしかすると清熱舒筋活血法という中医学的な治療方法を必要とするのかもしれませんし、あるいは最初に述べた人のように、清熱舒筋法に温陽利水法を併用する必要があるのかもしれないのですが・・・・・・あるいは実際に舌の状態を拝見すれば、まったく別の中医学的な問題点が存在しているのかもしれません。

 ときとして難病の脊髄小脳変性症にみられるように、腎虚が深く関連している場合など、フラツキの原因は様々ですので、必ず中医学的な原因分析が必要となりますが、おそらく貴女の場合はやはり熱中症によって五臓六腑の陰陽バランスが変調を来たしたものと思われます。

 いずれにせよ、現在通われている漢方医?(現在、日本の医療制度では漢方医なる資格は存在しない筈ですが・・・もしかして漢方専門医という日本漢方の資格を指すのでしょうか?・・・苦笑)の先生に根気よく通い詰めるのが無難だと思います。
 そのうち、しっかりと中医学的に必要な治療方法が見つかることと思います。

 微熱感が取れないのも、やはり上焦に鬱熱や湿熱が篭もっている可能性があるように思います。

 はじまりが熱中症がきっかけだったということを、その漢方医?の先生に繰り返し訴えてみるのがよいかもしれませんね。まだそこで1ヶ月くらいですので、遅かれ早かれフィットする処方が投与されることと思います。

 以上、あまり参考にはならなかったかもしれませんが、必ず治る症状だと思います。

取り急ぎ、お返事まで。

シジュウガラ
シジュウガラ posted by (C)ヒゲジジイ

折り返し頂いたメール:
 早速のご返信、ありがとうございました。とても丁寧なご返事に正直びっくりしました。

 いままで沢山の病院に行ってきましたが、「熱中症がきっかけ」という言葉を何度言っても、あまり気にとめて下さる先生はいらっしゃいませんでした。

 私としては、それまでは元気そのものだったので必ず熱中症の何かが身体を狂わせたのだと思ってました。この度、村田先生の御返事で、夏の暑さや熱中症で同じような症状になる方もあると聞き、少し安心しました。

 昨日も漢方専門医(笑)の先生の所にいきましたら、五苓散料を処方されました。舌は「綺麗な舌をしている」と言われました。

 村田先生が「必ず良くなる症状」と言って下さったので、本当に救われる思いです。これからも根気よく自分にあう処方を見つけていきたいと思います。
 本当にありがとうございました。

シジュウガラ
シジュウガラ posted by (C)ヒゲジジイ




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posted by ヒゲジジイ at 10:05| 山口 ☀| 熱中症や冷房病 | 更新情報をチェックする