現在、様子を見ながら出来るだけのアドバイスを送っているところだが、その点ではヤハリ地元のお馴染みさんはとても有利である。
自然とか天然とかの魅力的なキャッチフレーズに魅かれて使用したシャンプーが原因となって、顔面に痒みと発赤の強い急性湿疹が生じた地元の女性は、皮膚科の治療で無効なために相談にやって来られた。
もともと虚弱体質改善目的で数年来のお馴染みさんであった。最初に出したインチンコウトウでは弱く、華奢な体質で色白の美人の割には舌先がやけに赤いので黄連解毒湯に切り替えると速効を得て、念のため20日の連用で根治した模様。
やはり地元の地の利は否定しがたいところである。治るまで頻繁に通われているから当然である。
ところが、超?遠方のお二人はそうはゆかない。以前、一泊二日や二泊三日で来られた人達ではあるが、急性湿疹の状況をメールや電話だけではもどかしい。現在の状況を観察する為に直接会えるわけでもなし・・・。
お一人は、皮膚科から出された内服薬による激しい副作用を生じたので即刻中止となり、当方から出している三点セットとインチンコウトウで様子見の状態で、やや鎮火の兆しありとの報告があったものの・・・。
もう一人の方は、白髪染めにかぶれてヒドイ状態になったがこちらは皮膚科のステロイド軟膏で鎮火したものの、懲りずにまた某美容的なことをこころみたらその薬品にかぶれて、ある部分が現在ひどい状態になった。今度は皮膚科の強力なステロイド軟膏も、やや逆効果気味である。美人の顔でなかったのが不幸中のサイワイで、電話報告の様子からは黄連解毒湯証の兆候がありそうなのだが、直接見たわけでもないので、断定は出来ない。
上記の三人とも、当方のお馴染みさんになった目的は、もちろん全く別の主訴があってのものであったが、男性とは異なり、女性達につきものの「美容」的な生活習慣上に生じる様々な異変に、飛び入りの問題が生じてハラハラさせられることは日常茶飯事である。
女性は男性よりも百病多いと言われるが、誰に見せたいのか知らないが、美容やオシャレにつぎ込む経費は、男性には想像を絶するものらしい。その驚くべき実体を教えてくれるのは、改心して既に足を洗った地元の常連さんの中年女性たちであるから面白い、と書いたら不謹慎だろうか?
ところで、またまた蛇足ながら、現在、神経内科でボツリヌス療法の症例数の多さを家族に自慢している愚娘だが、以前、美容皮膚科に未練があった時代に、仕事のストレス解消と称して高級な化粧品をハシゴして楽しんでいたところ、激しく反応した化粧品のせいで顔面がはれ上がり、悲惨な状態になったのを看護士さんに見咎められて皮膚科に直行し、ステロイド外用薬にて救われたことがあったそうだ。
これに懲りて化粧品のハシゴは止んだようだが、医師であっても考えることは一般女性と何ら変わることなく、男から見れば何と無駄な浪費をしているものかと理解に苦しむばかり。(こんなこと書いてるブログを知られたら張り倒されそうだが・・・)
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