2006年10月17日

針に糸を通すのも平気な85歳近い常連さんのお話

 三十年以上の長いお付き合いの常連さん。当時は生姜を食べても頭痛が生じる極めて過敏性の体質で、当時NHKの朝の漢方特集の番組に電話をかけて相談され、出演者の故石原明先生に村田漢方堂薬局を紹介されたらしい?ことが縁で、長いお付き合いとなった。
 当時は生姜にも反応する敏感な体質なので、主訴の他に過敏性のためにうっかりした漢方薬でも不快反応がでる特異体質で困り果て、何度ギブアップしかけたか分からない。
 しかしながら、西洋医学のあらゆる合成医薬品にはもっと過敏で、過去の激しい副作用のトラウマから、そちらの方は一切拒否である。

 当時でも長い付き合いの果て、中医学をようやくマスターし始めた頃に思いついた党参と黄耆を中心に、徹底的に体質改善を試みたところ、年余の生姜など信じられない食品に対する過敏性も含めて、様々な主訴はもちろん大方の悩みが解消したのが、最初のおつきあいから十年は経っていた。

 その後も出没するアラユル疾患、風邪や流感はもとより一見難治に見える重大な疾患まで、検査だけは強引に病院で受けてもらいつつ、すべてを漢方薬で乗り切って、いつのまにか同年代の人よりも遙かにハルカニ丈夫で健康そのもの、背筋もピンと伸びたまま、まわりのひとからは二十年前のまま時間が止まった人だから、と言われるほどである。

 ところが、昨日いつもの漢方薬の補充のついでに深刻?な悩みを訴えるのである。
 最近、針に糸を通そうとすると焦点があうまでに、一瞬間だけど時間がかかるようになったのよ。以前はそんな感じが一切なかったのに、これが治る漢方薬があったら追加してよ、という難儀な御相談である。

 これが治せたら、先生(相手の女性のこと)は500年生きることになりますよ。つまりほとんど不可能ということですよ。でも、一度眼科で目の検査だけでも受けておいた方が良いから、眼科でしっかり検査して、その結果次第でもう一度考えましょうよ。(杞菊地黄丸などは合わない体質

 三十年前に、あれだけ虚弱性・過敏性で何度もギブアップしかけた女性であったが、今では天下一品、村田漢方堂薬局における最高の漢方ファンの筆頭である。
posted by ヒゲジジイ at 09:59| 山口 🌁| 漢方相談室での談話風景 | 更新情報をチェックする