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中村仁一著『大往生したけりゃ医療とかかわるな「自然死」のすすめ』という幻冬舎新書。
現在読んでいるところで、
第二章「できるだけ手を尽くす」は「できる限り苦しめる」
というところで中断している。
就寝前5分間の睡眠薬代わりの読書だから、薄い本でも読破するまでにはもう数日はかかるだろうけど、この書をよみながら様々な現実にあった残酷な事例を思い出す。
ここでそれらを書くのは、現代社会では昔のように楽には死ねないシステムとなっている現実を暴き証明することにもなるのだが、石頭たちに反論されるのが煩わしいので端折る。
ただ一つだけ医師である叔父が逝く折に遭遇した事例だけをかいつまんで書いておきたい。
高齢の医師自身が老衰のため食事不能となり入院。
担当医には身内の医師たちが重々に胃瘻などの延命処置は不要であり、自然に安らかに逝けるようお願いしていた。
ところが妻だけになったところで、担当医は「いま胃瘻をしないとあとあと後悔しますよ!」と脅迫まがいで胃瘻を迫った。
拒否しきれぬところまで追い詰められた妻なる人は、友人の医師にも応援を頼み、胃瘻をしないことを担当医に約束させてもらった。
医師同士の世界でも、この書籍の第一章のタイトルのように「医療が”穏やかな死”を邪魔している」現実。
ましてや一般庶民こそ逆に老衰という現実が受け入れられずに「できるだけ手を尽く」して欲しいと望んで、昔のように楽には死ねない現実を招いている。
中村先生曰く「できるだけ手を尽くす」が、「できる限り苦しめて、たっぷり地獄を味わわせる」とほぼ同義とか。
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