2012年02月05日

歯痕がみられても虚とは限らない

ジョウビタキ(メス)
ジョウビタキ(メス) posted by (C)ヒゲジジイ

 長年のもやもやが氷解したっ!

 これまで多くの中医学の教科書では、舌が胖大で歯痕がみられれば脾虚や湿盛とされていたり、絆大を伴わない場合でも舌が淡嫩であれば気血両虚の場合が多いなどとされていたが・・・

 実際には総合的に弁証分析してみると、虚証や湿盛の兆候はみられずに瘀血の証候がみられ、活血化瘀法が適応する例が少なくないという。

 これらの驚くべき最近の研究成果、陝西中医学院国医大師研究所の李軍氏と周海哲氏の共同論文が季刊誌「中医臨床」誌の2011年09月の通巻126号の82〜83頁に翻訳して掲載されている。

 というわけで本論の結論では
実際の臨床では、歯痕舌は気虚・湿盛・瘀血にその他の証を兼ねる場合が多く、患者の病状をふまえて臨機応変に弁証を行い、病機を的確に判断して、証に合わせた治療を行わなければならない。
 となっている。

 要するに歯痕舌だからといって短絡的に気虚や湿盛だと判断してはならず、瘀血の兆候を示すことも意外に多いので、総合的に弁証分析を行う必要があることを強調されている。

 個人的にも、やっぱりね〜っと長年の漢方相談経験から、まったく同意し頷ける貴重な論説である。
 
 詳細は同誌を購入して実際の記事を参照すべし!

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FSC_4772 posted by (C)ヒゲジジイ



posted by ヒゲジジイ at 08:21| 山口 ☁| 中医漢方薬学 | 更新情報をチェックする