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折々に大柴胡湯証を呈する人で、折々に延年半夏湯証を呈する人が現在3名もおられる。
一人は病院で慢性膵炎との診断が下っている。
以前、加味逍遙散証に延年半夏湯証が合併している女性のことを書いたことがあるが、この人たちの共通点はいずれも女性であり、いずれも中医学的に見ても肝胆脾胃に問題があるが、自覚症状の共通点は全員、左肩こりが顕著で何らかの胃症状を伴っている。
さらには左側の背部の凝りを伴っている人が多く、また全員たまたま茵蔯蒿湯証を伴っている。
大柴胡湯と延年半夏湯を合わせて常用した方がよい人もあれば、時期によっていずれか一方でよい時期と、両者の併用が必要なときなど一定しない人もいる。
最も興味深い例では、これらに半夏瀉心湯証も折々に出現して、折々にそれぞれの方剤を使い分けているが、延年半夏湯は常時服用しておくほうが調子が良いと言われる。
現実的には、三方剤を常に併用していたほうが頗る体調がよいという結論が出ているようだ。
加味逍遙散合茵蔯蒿湯証の人では左肩凝りと胃症状が出ない限りは、延年半夏湯はもはや必要としない段階に来ている。
このような比較的複雑な病態に応じた方剤を見つけることができるのも、必要に応じて折々に直接通って来られ、じっくりと時間をかけて弁証論治を行うから〜、といってもこのブログでは方証相対を信奉するがごとき表現となっている(笑。
ところが中医学理論、中医方剤学、中草薬学を一定レベル学んだ上で方証相対論を実践することは、とても有意義で能率がよい。
現実的には弁証論治と方証相対論を平行して実践するのが、実は中医漢方薬学派の真骨頂でもある(呵呵。
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