季節外れのアカイエカ posted by (C)ヒゲジジイ
重症化したアトピー性皮膚炎の人達の多くは瘀血が伴っていることは日常茶飯事。それゆえしばしば大黄牡丹皮湯や腸癰湯を配合に加えることが折々にあるものの、多くは大黄配合剤による大黄や莪朮などの駆瘀血作用に依存することが多かった。
しかしながら、昨今、どうしても桂枝茯苓丸でなければならない女性たちに遭遇する機会が増えている。
いまさらながら、桂枝茯苓丸の多方面に亘る適応領域を再認識する昨今ではあるが・・・
ところが、閉経後の子宮筋腫が不穏な動きをしているとて、病院では定期的な検査を必要としつつも何の治療も行なってもらえず、腹部や腰などの様々な不快症状が継続して悩まれている婦人に、定石通り桂枝茯苓丸料加ヨクイニン莪朮を主体に続けてもらっても効果は微弱。
やはり正確な弁証論治が必要であり、小腹急結の自覚をあるを見付け、桃核承気湯加莪朮に切り替えたところ、自覚症状は速効があり、定期健診でも明らかな縮小をみて、半年経つころには主治医からも、もう何の心配もありませんと告げられた。
何がどう心配ないのか、その判断は主治医のなさることで、こちらは西洋医学の薬物治療の限界を漢方薬でサポートしてあげているだけである。
それなのに、薬局漢方の存在を認める医師もいれば、認めようとしない医師もいる。
そもそも存在を認めるも認めないも、古くから漢方薬という東洋医学の伝統を守って来たのは市井の一握りの医師と多くの薬剤師たちであったことを強く認識すべきである。
それゆえ病院の漢方が一見盛んになったように見えても、病院の保険漢方とは無縁の藿香正気散や牛膝散製剤や折衝飲をはじめ補気建中湯や分消湯、あるいは延年半夏湯や独活寄生湯、あるいは沢瀉湯や玉屏風散に温胆湯や葛根黄連黄芩湯など、まだまだ実に多種類の第2類医薬品の漢方エキス製剤を販売する権利と資格を有するのが市井の薬剤師たちが経営する薬局や薬店なのである。
といってもヒゲジジイがあの世に行った後、次の代に我が薬局を継ぐ薬剤師はおらず、たとえ継ぐ奴がいても資格は医師だからおそらく薬局としては存在しなくなることだろう。それゆえ、本音はやや複雑な心境っ。
まっ、あの世に行ったあとは、この世のことはどうでもよいけどっ。
IMG_3702 posted by (C)ヒゲジジイ
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