漢方相談では常にタイトルのような御相談が後を絶たない。診断も付かず、アラユル治療に抵抗し、出される医薬品が却って逆効果であったり、副作用ばかりが前面に出る例など、このために仕方なく漢方に救いを求めて来られるのである。
漢方に救いを求める前にも、針灸・整体あらゆるものが逆効果であったというから尋常ではない。
服用者に漢方に賭ける熱意と情熱があるかどうか? 西洋医学で完全にお手上げ状態だからといって加持祈祷に救いを求める人も多い。ところが、その救いを求めた加持祈祷所から紹介されて来られる人も意外に多いから、縁というのも不思議なもの。
この個性の強すぎるヒゲジジイと相性が合うかどうか?こちらは患者さんが真剣で本当に漢方に賭けてみられるつもりがあれば、全精力を傾けて8割緩解まではあらゆる努力を厭わないが、相手あっての問題だから難しい。
病気のために随分苦しまれているのを理解しているだけに、こちらが真剣勝負で全精力を傾けているのを漸く理解して、素直になってくれた方がある。通常ならもっと早くお断りするところだったのに、ご紹介者の手前、逆質問攻めに珍しく耐え抜いていたら、漸く漢方と漢方薬の深遠さと奥深さを理解されたらしい。
あらゆる分野の治療方法で逆効果を示すのだから、正攻法で考えても埒は明かない。中医薬学の「常と変」を知って、裏読みすることでようやく糸口が見つかった。
裏読みするのはヒネクレ者の逆説オヤジの得意分野とは言え、やはり実にシンドイ作業の繰り返しなのである。だから哲学のケムリが離せない。
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