2006年08月19日

腰椎変形すべり症による、坐骨神経痛の漢方薬

性別 : 女性
年齢 : 40歳〜49歳
ご意見やご質問をどうぞ : ホームページを読ませていただきました。初めてアクセスさせていただきます。

 私は、昨年5月より腰椎変形すべり症による、坐骨神経痛を患っております。整形外科にかかりMRI検査による確認もし、椎間板ヘルニアもみうけられておりますが、症状としてはすべり症による坐骨神経痛だけが出ている状況です。半年程ロキソニン・メチコバール・プロレナール・ムコスタを飲み、牽引と暖めのリハビリの結果、今は、朝の痛み(息子の弁当作りと朝食の準備の時に椅子に座ってしまう痛み)と長い時間(20分以上)立ちっぱなしでいる時の痛み(しゃがみたくなる程腰のまわりと臀部がつるように痛みだし、1度しゃがむと、しばらくはよくなる痛み)が主なものになりました。

 7月からは、ヒーリングオフィスに通って体操を習い、ロキソニンも痛いときだけにして毎日出来るだけがんばっているのですが、左足中指にあった感覚障害が少しよくなってきた程度でなかなかすぐには効果が出ていないという状況です。
 昨年は、走ることも出来なかったことを思えばずいぶんよくなってきたと考えればよいと思うのですが、この大変な体操を(10種類以上あり、そのうち3種類は3セットを1日5セット)続けることが時間的にもなかなか困難な生活を送っている現状があります。
 腰椎変形すべり症からくる坐骨神経痛に効く漢方薬がありますでしょうか?

 以前、尿道管結石を患った際、病院からは痛み止めしかいただけなかった時、漢方薬がよく効き、お産んよりひどい転がるような痛みが楽になり、1週間で結石が出ました。漢方薬がすごいものであるということを実感しておりますが、すべってしまった骨による病気が根本的によくなるのか、漢方薬が臀部のつりや、立っていられなくなる痛みを緩和してくれるものなのか教えていただけると幸いです。
 お忙しいと存じますが、よろしくお願いいたします。


お返事メール:拝復

 腰痛関係では、どんな立派な病名がついていようとも、過去三十数年間の経験から言えば、かなり得意分野のような気がしています。
 その人の体質に合ったものを漢方理論の法則に従って忠実に適切な組み合わせを工夫することで、過去の経験で言う限りは、素晴らしい成績であったと自負しているほどです。
 もちろん、皆さんが簡単に短期間でピントの合った漢方薬が見つかったわけではなく、しっかりした配合が決まるまでには、相当に苦労した人もあるにはありましたが、あらゆる治療方法で無効だったりして、行き場を失っている人が多かっただけに、ピントがしっかり合うまで我慢して頑張られた人が多かったという面もあるかもしれませんが。

 ところが、手術以外に方法がないと言われた何人もの腰痛関連疾患(様々な西洋医学的な病名をもらっておられましたが)を意外に短期間でピントが合い、あとは漢方薬を真面目に続けるだけ、といったケースも大変多かったと思います。
 体格の立派な警察官でさえ拳銃が腰にぶら下げられないほど重症化して、手術前の入院時に病院を抜け出して、当方の漢方薬で手術を免れ、あっさり短期間で治り、それっきり服薬を中止していたら、10年ぶりに再発して、現在またやって来られているというケースもあります。
 
 頂いたメールにもご自身が尿管結石の折に、漢方薬の優れた効果を経験されているように、世間で思われる以上に、漢方と漢方薬は素晴らしい威力を発揮するものです。

 但し、問題はいかに適切な漢方薬を得るかが問題で、簡単に適切な方剤が見つかることもあれば、意外になかなか良い配合が見つからず、考察と工夫を凝らしてはじめて、ようやくピントが合うということがあるなど、ケース・バイ・ケースで、多少の偶然的な運も関係するかもしれませんが、ピントがシッカリ合うまで、10日〜15日くらいの単位で様子をみながら微調整すれば、遅かれ早かれ現象的には殆ど無症状となることと存じます。

 たとえ検査上はどうであれ、苦痛がほぼ完全に解消すれば、治ったも同然なわけですから、しばしば手術を嫌って様々な腰痛関連の患者さん達が当方に訪れていますが、ほんの一二回で諦めるような根気のない人でない限りは、高確率で、殆ど全員がかなり満足の行く状態に漕ぎ着けている例が殆どでした。

 現在も予防で服用されている人や、休んでいる人など様々ですが、西洋医学的にどのような診断を受けようとも、やる気でやれば、漢方と漢方薬で遅かれ早かれ改善できる確率は大変高いものと愚考します。

 貴女の症状よりも遙かに重症な人が何人も漢方薬で改善して行った例は、ザラにあるということです。

 要はご本人の漢方に賭ける情熱と、それに対応してくれる漢方の専門家を見つけることが大切です。(関東方面は日本の人口の1割なのに、相変わらず関東からのお問合せが最も多いようです。)

 なお、重要なことは直接通える範囲の場所で専門家を見つけるべきです。上述した当方での好成績も、皆さん苦しい中をピントが合うまで直接通い詰めた人たちばかりなのです。
 2〜3回目でピントが合った人は幸いで、時に一発で合った人など様々ですが、時に難航することもあるので、通える範囲のほうが断然有利だということです。
 
 以上、腰痛関連は、意外に漢方と漢方薬の得意分野であるということを述べましたが、どのような分野の疾患でアレ、服用者の根気と専門家の方の腕(技術と知識および経験)があれば、かなりなことが可能なのが漢方と漢方薬の世界ではないかと愚考しています。
                         頓首

村田漢方堂薬局 ヒゲ薬剤師


折り返しのご挨拶:拝啓 村田漢方堂薬局 ヒゲ薬剤師さま
お忙しいにもかかわらず、こんなにすぐにお返事をいただき本当に有難うございました。感激しております。漢方薬の素晴らしさは、経験しておりましたが、腰痛関係に得意な分野であったというお話を伺い地獄にほとけ・・・という気持ちです。たまたま私の読んだ腰痛関連の著名な整形外科の先生方の書かれた書籍のどこにも漢方薬の効果について書かれてはいなかったことが残念です。もしかしたら・・・とインターネットで検索した甲斐がありました。ヒゲ先生は「重要なことは直接通える範囲の場所で専門家を見つけるべき」と仰いました。私の様に、ヒゲ先生の事を心から信頼できる方であるとブログから感じとる方が日本中数え切れないほどいるのだと思います。先生のような方が、関東の何処に居られるのか、どうやって探せばよいのかわからない方たちが、先生の所に相談を寄せるのだと思います。私もわからないなりに、それでも先生のことが載っている日本の名医の本など、かたっぱしから探してみようと思います。でも、どうしても見つからなかったら、意を決して伺います。その時は、是非よろしくお願いいたします。蛇足ですが、薬草園の写真を見てびっくりしたこ・・・(残念ながらこれ以降が文字化けしてしまった!某社のWebメールでシバシバ経験しているので、その後無難なgooメールに変更)

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posted by ヒゲジジイ at 01:01| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする