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おたより:東海地方の内科医師
最近経験した症例が個人的に興味深かったのでご報告します。
60代後半の男性です。3年まえに近くの自家感作皮膚炎と診断されて当クリニックへ受診されました。
全身に隆起性で乾燥した病変と発赤びらんが顕著で一部は湿潤でしたので、荊芥連翹湯・茵蔯蒿湯・猪苓湯・六味丸を処方しました。
他にも病気があったらしく受診が不定期でしたが、奥さんがくすりをもらいに来院してみえましたので、一定の効果はあったものと考えていました。
ある日、前立腺がんが発覚して某旧帝国大学の泌尿器科に入院され、手術をうけました。その際、皮膚科を受診することとなり、皮膚病変を生検されて、皮膚の悪性リンパ腫と診断され、同皮膚科の担当医からは「ステロイドしかないでしょう」と言われたそうです。
同大学の血液内科にもコンサルトとなりましたが、「こちらでは手のだしようがありません」とのことだったそうです。
私が勤務医のころに血液内科であったこともあってか、再診されて相談を受けました。
私としても正直なところ開業医の対処できるレベルを越した病状でしたし、自信がありませんでしたので、その旨をお伝えして、ない知恵を絞りだして漢方薬を処方しました(荊芥連翹湯、サフラン、板藍根)。
そのころサフランが皮膚の炎症を鎮静化する印象があり、また、板藍根には獲得性ではなくて自然免疫を高める印象を持っていました。
2週間あとに受診されたときに、額の病変のボコボコ状態がやや平坦化していましたので、継続処方しました。
4週間あとに受診されたときに、奥さんからお聞きするのに、「その前日に大学病院を受診しましたが、皮膚科の担当医の顔の表情が明らかに変わっていました」とのことでした。
私もご本人を診て顔の病変がずいぶん綺麗になっていることに気が付きました。
6週間あとの再診のときには、額はほぼ正常化し、顔面の隆起性の病変もほぼ平坦化し、一部は正常の皮膚に置換されていました。
皮膚科の担当医によりますと、「ステロイド内服で病状の進行が抑えられればよし」ということだそうです。ですから、明らかに漢方薬が効いていると考えています。
このほかにも最近進行がんの患者さんで一定の効果が得られていることを考えますと、「漢方おそるべし」との印象を強くしている昨今です。
連日当地方は35度以上の酷暑で、商売道具の脳が壊れないように牛黄で活性酸素の発生をコントロールしながら励んでいますが、村田さんにおかれましてもお元気でお過ごごしください。
KSC_2051a posted by (C)ヒゲジジイ
お返事メール: この度はまた、とても興味深い症例をご教示賜り、ありがとうございます。
早速ブログに掲載させて頂きたいと存じます。(ご快諾下さることと信じてっ!)
当方でも日々、癌サポートとして漢方薬の有用性は個人差があるにせよ、相当なレベルであると確信しているほどです。
それにしても皮膚の悪性リンパ腫の治療サポートとしての先生の処方はとても興味深い内容です。
とりわけサフランの投与は、大いに学ばせて頂きました。
悪性リンパ腫の患者さんについては、ちょうど以前のブログ2011年02月06日 悪性リンパ腫の漢方相談 でお問い合わせされた男性は、転移もあって第四期と診断されておられましたが、幸いにも抗癌剤が有効なタイプであったので、副作用の軽減も兼ねて当方の漢方薬でサポートすることとなり、高濃度の牛黄製剤を主体に雲南田七や白花蛇舌草などを積極的に利用され、現在では外見上、まったく分からないほどに改善されておられます。
西洋医学治療と漢方薬類の連携がかなり理想的に行なえているケースで、ご高齢にも関わらず繰り返しの抗癌剤治療にも目だった副作用も出ず、矍鑠とされています。
ともあれ、連日の猛暑に牛黄は本当に欠かせませんねっ!
私はここ三十年以上、牛黄を服用しない日はほとんどなく、昨今のような猛暑ではなおさら、1日に何度もお世話なっています。
先生のクリニックは明日からの由、忙しくなる前日に興味深いご報告を賜り、心から感謝申し上げます。
KSC_2251 posted by (C)ヒゲジジイ
ラベル:悪性リンパ腫
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