2006年08月07日

残念ながらかなり深刻な病状であるため、常連さんのご家族でもない限りは、思い切ったアドバイスをすることが不可能という事例

関東地区より、
ご意見やご質問をどうぞ : 甥(17歳)の自己免疫疾患につきご相談いたします。
 昨年秋、目の腫れをきっかけに、膠原病を発症していることがわかり、ステロイド治療を開始、左目の視力は相当落ちたものの、三ヶ月ほどで寛解しました。しかし、その間、激太りし、断薬後、体調不良開始、極端な食欲不振、激ヤセ、ふらつきで、ついには歩行できない状態にまでなってしまいました。この症状に対して、病院では全く対応できす、思い余った父親が、以前、私が父親用に送った補中益気丸を息子に飲ませたところ、劇的に奏効、その後は継続服用、以後数ヶ月、他の薬を服用することなく、普通にすごすことができたようです。

 ところが、先月末、突然足がもつれて歩行できなくなり、眼圧もあがっていることがわかり、地元の病院で再びステロイドの内服治療を始めました。
 ステロイドが奏効しなければ、今度は免疫抑制剤も使用すると伝えられたようで、父親は病気そのものの心配と共に、再び激しい副作用が出現するのではないかと恐れています。
 今はステロイドを内服しているため補中益気丸はやめているようですが、併用してよいやら、また何か他の漢方薬を併用させたほうがよいやらわからす、途方にくれています。
 甥の症状は神経関連のものばかりで、医師からは、脳神経に炎症が起こっていることは確実といわれたようですが、昨年の発病から今日迄、実際、高熱を発したことは一度もないそうです。親子がすんでいるところは、相当辺鄙な場所で、かかりつけの医師は漢方薬に知識がなく、近隣に漢方薬局もありません。

 村田先生のHPで全身性エリテマトーデスでも漢方薬が奏効した例があることを知り、甥の病気の一助となる漢方薬あるいは副作用を軽減できる漢方薬があればぜひともお教え願いたく、メールしたしだいです。
 甥の体格は小柄、ヤセ形、おおらかで活動的な性格でしたが、先日一年ぶりに会った時は、さらにヤセ、血色も悪く、生気がうせて、別人のようになっていました。

 私は今春、老母のアルツハイマー症の件で先生にご相談したものです。その後、母は漢方薬局でせんじ薬を出していただくようになり、物忘れは相変わらずながら、気分と体調は少しばかりよくなったようです。ありがとうございました。


お返事メール:拝復

今回ばかりは、状況的に見て、適切なアドバイスのほんのひとかけらさえ、述べることが出来ません。
お役に立てず、申し訳ありません。


折り返しのご連絡:なんともつかみどころのない病気のことをお尋ねしてしまい、お手を煩わせ、申し訳ありませんでした。
 ご返信くださったことだけでも感謝しております。


編集後記:頂いた文面にも出てくるような全身性エリテマトーデスなどでは、地元にも遠方にも若い女性に複数、現在も漢方薬で緩解状態を維持されている方達がおられ、過去数十年間にも緩解状態に導くお手伝いをした事例はかなりある。

 しかしながら、同様な自己免疫疾患でも各種各様で、比較的重い状態の場合は、遠方から迂闊なアドバイスは出来ないほどデリケートなものである。
 のみならず頂いたメールのような深刻な状況とあっては、地元の常連さんの御家族のご相談でもない限りは、迂闊なアドバイス等を行うことは出来ない内容であった。

 お互いに深い信頼関係を築き上げている状況下においてはじめて、西洋医学的な諸検査等、主治医の見解などに基づき、同時に集中力を発揮できる状況下で綿密詳細な弁証論治を行いつつ、臨機応変の漢方処方のアドバイスがはじめて可能となる。
 
 今回ばかりは、メール相談の限界を大いに感じてひどい無力感に襲われてしまった。僅かなヒントすら差し上げることも出来ない、とてもデリケートな段階の病状だからである。
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posted by ヒゲジジイ at 00:24| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする