KSC_8557 posted by (C)ボクチンの母
たまたま日本漢方のベテラン医師の論説が眼に入ったので通読して驚いた。
温病学説は不要であり、銀翹散レベルのものは柴胡剤の加味で十分対応できるそうである。
日本漢方には弁証論治に取って代わるような基礎理論は存在せず、日本漢方の優位性を証明するような理論も書籍もいまだに出て来ない。
銀翹散レベルのものが柴胡剤の加味方で代用可能であるとは初耳だが、これ一つだけで温病学説不要論に繋がることには大いに首を傾げる。
また温病学不要論の論拠として歴代の日本の各医家たちが呉有生の「温疫論」(1642年)を否定的に捕らえていたことを挙げているが、傷寒論と並ぶべき呉鞠通の「温病条弁」(1798年)が取り上げられない。
驚くべきことに温病学で最も重要な「温病条弁」は完全に無視されている。
銀翹散の出典こそ、この「温病条弁」であるが、まるで銀翹散が柴胡剤の加味で代用できる?からといって、「温病条弁」ごときは「温疫論」同様に論じるに足りないと言外に表現される如くである。
各大学医学部で学ばれる漢方医学も同様の考えで推し進められるらしいが、お陰でヒゲジジイの仕事も永久に減ることは無さそうだっ(苦笑。
弁証論治こそ漢方薬を有機的に使用する基本中の基本であるが、それに代わり得る理論が日本漢方にはやっぱりいつまでも見当たらないことは最初に述べた通りである。
【関連文献】
●温病学を学ばない日本漢方の杜撰
●日本の伝統医学と言われる「漢方医学」に欠落するもの
●日本漢方には「傷寒論」があっても「温病学」がないのは致命的かもしれない
ASC_8914 posted by (C)ヒゲジジイ
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