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補気建中湯や分消湯の各エキス製剤は、小太郎漢方製薬さんにヒゲジジイが強く推奨して実現したものだけに(笑、実に素晴らしい製剤に仕上がっている。
もともと個人的には仕事上、多くは悪性腫瘍によって誘発された腹満や腹水に使用して効果を上げて来た。
それゆえ、一般的によくみられる腹部膨満感だけの悩みに対し、一部の例外的な人以外に使用することは少なかった。(但し、愚妻が早くから腹部の膨満感によく効くと常用していた。)
先週、ヒゲジジイ自身、11年ぶりの尿路結石による疝痛発作に見舞われた時、便秘と腹部膨満感が合併していたので、猪苓湯や茵蔯蒿湯などとともに分消湯エキスを加えると、激しい疼痛が軽減しやすかったので、しばらく常用するつもりでいる。
同様に補気建中湯は「いわゆる虚証」の人たちの一般的な腹部膨満感や浮腫にも効果がある。
一方、分消湯は実証の腹部膨満感や浮腫に効果がある。
補気建中湯も比較的気軽に使用できるので、腹部の進行癌や転移癌の人たちの腹水予防を兼ねて体力増強の方剤としても活用できるとても便利な方剤と思っている。
蛇足ながら、補気建中湯には麦門冬・沢瀉・人参という糖尿病にも有効な成分が豊富なことから、結果的に糖尿病から派生した様々な症状に適応を見ることがある。
ともあれ、自分でも愛用するようになった分消湯は、証候によっては茵蔯蒿湯や茵蔯五苓散を併用する機会もあり、腹部症状の様々な領域に活用できる。
ヒゲジジイ自身は、分消湯と猪苓湯に茵蔯蒿湯を加え、通常服用していた杞菊地黄丸も復活して排石する日を待っている。もちろん疝痛発作は既に皆無となって快適な日常を送っていますっ!
(秘密を明かせば、牛黄製剤はもともと常用しており、面倒だからやらないといっていた連銭草とウラジロガシの煎液をここ一週間はお茶代わりに常用するようになっている。)
ともあれ、一般的な腹部膨満感には上記の方剤以外でも厚朴を配合した各種中医方剤があり、また開気丸やガジュツ製剤など、様々な証候に応じて適切な方剤を選択するとよい。
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