2011年07月09日

中医漢方薬学偶感━寄せては返す波の音

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ASC_5550 posted by (C)ヒゲジジイ

 中医学を学んで実際の漢方相談に役立てるには、中医基礎理論を充分に学習することが必須条件であることは言うまでもない。

 基礎理論を学習した後は、実際の臨床に通用する実践的な学習が必要となり、中医理論の有機的な活用能力を養わなければならない。

 つまり「常を知り変に達する」ことが要求され、臨床実践における優劣は、実にこの「知常達変」のレベルとほとんど比例関係にある。

 一般の中医学理論の専門書籍による学習と実践を続けるうち、様々な疑問点に遭遇して理論上納得できない部分に悩まされたり、臨床実践において「教科書通りには行かないぞ!」と感じた経験は、多かれ少なかれ皆が味わってきたに違いない。

 実際のところ、通常の中医理論専門書籍においては、一般の通説を述べるのみで、別解や異説に関しては省略されていることが多い

 そこでヒゲジジイが常々推奨する書籍が、陳潮祖著「中医病機治法学」と瞿岳雲著「中医理論弁」の2冊という訳ですよっ。

 ところで、現在、日本の各大学医学部において、漢方医学が必須教科として学ばれているらしいが、あのレベルの低さをイカニセムっ!?

 まずは基本中の基本、実証と虚証の概念から洗い直すべきである。

 いつまで経っても「体力の優劣」で漢方処方を理解していては、民間療法に毛が生えた程度のレベルから脱することは出来ない。

 体力の有無は何を持って判断できるのか??? 一日がかりで体力測定でもするとでもいうのだろうか?

 実に噴飯物と云わざるを得ないっ。

 日本漢方における虚実論は、一犬虚に吠ゆれば万犬実を伝うのタグイと云っても過言ではないっ。

 また水毒の概念においても、現在はどう云っているかは不明だが、一昔前までは胃内停水があるのは水毒体質だから、水分の摂取は極力避けるようにと大真面目に語られたものである。

 これはとんでもないことで、それでなくても昨今の夏場の猛暑では、熱中症や脱水症状による命の危険をみずから招く行為に等しいのである。

 日本漢方で言われる水毒体質であっても、十分な水分補給を怠ると、とんでもないことになるので、迂闊に彼等の非科学的なアドバイスに従うのは危険である。

 昨今の新人さんで、某所のアトピー専門の某医院に遠路はるばる訪ねて治療を請うたところ、一日の水分摂取量を500ml以内に制限するように強く指導されたという。

 実に殺人行為にも等しい指導と云わざるを得ない。
 恐ろしい医師がいるものであるっ。

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ASC_5856 posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 00:24| 山口 ☁| 中医漢方薬学 | 更新情報をチェックする