2011年07月05日

尿管結石の疝痛発作に個人的には芍薬甘草湯を使わない理由

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FSC_7388 posted by (C)ヒゲジジイ

 昨日は開店早々からもっとも古い常連さんが、お礼がてら補充注文に来られた。

 七十歳を超えて以降の昨年、怪しい腫瘤が各所に見つかり、当然重大な疾患を疑われて諸検査のために定期的に通院することとなった。
 場所的にはもっと突っ込んだ検査がしにくい場所もあるとのことで、毎月経過観察と検査を繰り返すことになったが、それが分かった当初から積極的に中草薬を主体にした漢方療法を行ってまる一年以上、今回の検査ではまったく何もみつからなかった。
 主治医には「治ってるよ」と言われたとのことで、嬉しくて律儀にお礼に来られたのであった。

 ともあれ、ヒゲジジイについては昨日は1日中、激しい疼痛はやって来なかったし本日も今のところ大丈夫。

 ところで、日本の漢方界では芍薬甘草湯が尿路結石の疝痛発作に決まって処方されるが、11年前に使ってまずかった経験から今回は最初から使用するつもりはなかったし今後も使用するつもりはない。

 11年前は芍薬甘草湯で確かに疼痛は緩解するが、大量の甘草の抗利尿作用によって利水すべき猪苓湯の効果を明らかに阻害したからである。
 加えて、昨今、当時と違って高血圧傾向があるので・・・それでなくとも今回の疝痛発作時の血圧を測ってみるとなんと上が190近くも上昇していたからである。

 各種の激しい疼痛発作に確かに便利な芍薬甘草湯ではあるが、このように体質によっては使いにくい場合もあるということである。
 以前から提唱する芍薬3に対し甘草1の割合いが理想的ではあるが、血圧の問題を考えれば、この比率の配合でも使う気にならなかった。

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FSC_6939 posted by (C)ヒゲジジイ

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