2011年06月30日

熱中症対策として有効な漢方薬

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CSC_4442 posted by (C)ヒゲジジイ

 昨今、地元近辺で会社勤務の男女から熱中症対策に有効な漢方薬の指南を求める相談が増えている。

 社内のエアコンの温度設定が28度で、しかも皆がパソコンを使っているので、そのパソコンから吐き出す熱気が半端じゃないので、日々蒸し返す暑さだという人もいた。

 3月の天変地異に遭遇するはるか以前から、例年、長引く不況対策で電気代節約とばかり、各社でエアコンを弱めた夏の勤務に悲鳴を上げている人達が多いのである。

 ある常連さんの相談では複数の人間に体質を選ばずに使用できそうな対策方法を伝授願いたいというので、昨年の夏に実際に有効だった多くの人に共通した方法を指南しておいた。

 中医学的な考えからは常用するのに適切なのは西洋人参で、生脈散も悪くはないが、温性の朝鮮人参や五味子が入ることに個人的には疑義を感じるので、生脈散を奨める気にはなれない。

 但し、中医学的に最も推奨すべきは生脈散中の朝鮮人参を西洋人参にかえ、麦門冬と五味子と相俟って、理想的な熱中症対策となるのは中医学世界では常識中の常識だが、この日本ではとんでもない非常識となる(苦笑。
   ⇒参考文献:生脈散(しょうみゃくさん)のお勉強

 ともあれ、水分補給を心がけることは常識としても、熱にうだって体温上昇とともに頭痛を感じれば、地竜や牛黄製剤が相応しい。

 熱中症の場合は、クーラー病(クーラーで冷やされて頭痛や吐き下し)とは異なり、命の危険があるので、怪しい兆候が出れば直ぐに病院に行くべきであるが、上記のような中医学的な予防と応急処置をすることで、例年、それで救われた人もいるので、実績のある方法としてちょっと記してみた。

 個別的には、体質に応じて弁証論治にもとづいた漢方製剤を常用してもらって熱中症対策を行なっている人もいることは言うまでもありませんよ。

 蛇足ながら、クーラー病の場合は、多くは藿香正気散や葛根湯あるいは五苓散や猪苓湯や参蘇飲など、弁証論治にもとづいた適切な方剤で対処すれば、滅多なことで命に関わることはほとんどあり得ないでしょう。

 危険なのはやっぱり熱中症なので、あやしいと思ったら病院に直行すべきですねっ!

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posted by ヒゲジジイ at 18:59| 山口 ☀| 熱中症や冷房病 | 更新情報をチェックする