ESC_4386 posted by (C)ヒゲジジイ
おたよりとご質問:エアコンで身体を冷やし過ぎて頭痛・吐き下しを生じた北陸地方のおなじみさんのその後
先生の書かれた藿香正気散合猪苓湯の応用を読み、改めて藿香正気散合猪苓湯を服用しました。
実はこの前までは、頭痛を早く鎮めたいため、藿香正気散を2包服用していました。 そこで、本命の三仁湯の代用とする場合に書かれてあった、
「藿香正気散をやや少量とし、猪苓湯と薏苡仁各エキスをやや多目にするとかなり代用 可能である」
を参考にし、藿香正気散と猪苓湯の割合を1:1にしたところ、お通じの状態が改善し、浮腫みも幾分楽になりました。
改めて、さじ加減の重要さを認識しました。
そこで、熱感が強い際の、薏苡仁の服用は、私の場合は使用できるでしょうか? ちなみに、わきの下や、くびのまわりの疣も結構あります。
あと猪苓湯について「猪苓湯が滑石茯苓湯に変わるとき」も読みなぜ多汗に使用するのか、大変理解できました。以前にも読んでいたつもりなのですが…
よろしくお願いします。
ESC_4731 posted by (C)ヒゲジジイ
お返事メール:藿香正気散の応用は多岐に亘りますが、それ以上に猪苓湯の応用範囲はもっと多岐に亘ります。
今回のおたより、的確な応用をして頂き、嬉しく思います。
ご質問の件、
> 熱感が強い際の、薏苡仁の服用は、私の場合は使用できるでしょうか?
薏苡仁の性は微寒ですので、熱感が強い人にはますます安心して使用できます。疣があればなおさら一石二鳥という部分もありますっ!
もしも両手足のほてりまで強い暑がりの人では、瀉火補腎丸や知柏壮健丸では十分な効果が発揮できない人でも、三物黄芩湯がしっかり効果が出る場合があります。但し、陰虚火旺の証候が存在することが必須条件ではありますが・・・。
なお、ご承知の通り、藿香正気散を不必要に継続服用し過ぎると、乾燥性が強いために粘膜組織まで乾燥させてしまうことがあります。(但し、小青竜湯の乱用から来る弊害ほど強いものではありません。)
長期連用する場合には、過度な粘膜の乾燥性を未然に防ぐ意味でも藿香正気散に適量の猪苓湯と薏苡仁を加えることでも防げることが多いようです。
それでもなお粘膜の乾燥性が気になる場合は、藿香正気散に西洋人参を併用する方法があります。もちろん藿香正気散に適量の猪苓湯と薏苡仁西洋人参を加えることも可能です。
面白いことに、これらの配合ではクーラー病と熱中症を同時に予防する実に欲張った配合ともなっています(笑。
ESC_4281 posted by (C)ヒゲジジイ
ラベル:猪苓湯 藿香正気散(カッコウショウキサン)
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