月額290円で借りているgooブログアドバンス。あのブログはほとんど画像も無制限に近い、
画像の容量が、なんと1T(テラ=1024GB)!と宣伝文句にあるほどだから、借りがいのあるブログだが、その続きを今回は本ブログにした。
残容量を気にすることなく、思いっきり写真&動画付きブログを行うことができます。
同様に前置きとして
1990年1月号(新年号 通刊440号)の『和漢薬』誌に「新年偶感」と題して、コント風の毒舌を吐きまくっているのが見つかった。ということだから、そのおつもりでっ!
主として医師や薬剤師しか目を通さない漢方と漢方薬の専門誌というものは、新年にちなんでユーモアを交えた毒舌を楽しみにしてくれる人もあって、書くほうも楽しかったものだが、これをブログに再録するとなると、専門外の一般の人々の目に触れることになるから、文字通りに受け取って誤解されても困るのだが、このユーモアとともにある程度は真理を穿った毒舌を真に受け過ぎるほうにも問題があるだろうと、割り切ってここに再録することにした。
中医学派の蒐集癖
中医学を行うには多種類の中草薬を揃えておかなければならない。毎日毎日、メーカーさんに電話して、あれはないか、これはないかと常に探索と調査を怠ってはならない。実に中医学の第一歩は中草薬の買い漁りである。
以上のことは根本的に間違っている。中医学の特徴の一つは、その土地(中国国内それぞれの省のこと)で手に入る限られた種類の原料でも、有効な処方をかなり自由に組み立てることが出来るということである。
そのことを敷衍すれば、たとえインスタント漢方のみの扱いでも、それ程不足を感じる必要はない。
だから日本で中医学の基礎理論が根付けば、おのずから日本独自の≪中医漢方薬学≫へと発展すること請け合いである。
蒐集すべきものは中草薬ではなく、中医学書であるべきだ。漢方が盛んになったと言われる我が国の研究書出版面における貧困さは目を覆うばかりである。
経済大国といわれる日本において、この出版物の貧困さはそのまま学問の貧困さを証明するようなものである。
ところが流石に本場中国では、まさに汗牛充棟。毎年発行されるハイレベルの中医学書は出版の洪水だと表現しても決してもオーバーではない。毎月の出版点数だけを計算しても日本の一年分を遥かに凌駕する。
内容のレベルの比較においては言わずもがなであろう。
現在小生が最も愛読し学習中の「中医病機治法学」(四川科学技術出版社)などは日本の中医学研究家に示唆することは大きく、「寒温統一論」(上海科学技術出版社)、「中医病理」(広東科技出版者)、「歴代名方精編」(淅江科学技術出版社)など、愛読書をあげれば際限がないが、小冊子ながらお気に入りの「臓腑経絡学説」(天津科学技術出版社)は基礎理論の重要な部分が要領よく解説され大変理解しやすい。
これらの学習の成果として≪傷寒論≫に対する認識を深めたつもりであるが、それは後半で述べたい。
現在日本で翻訳されている中医学書にも大変優れたものがあるが、まだまだ不十分である。
中医学の学習を更に深めるには中医学書の原書を蒐集することから始めるべきである。
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