
IMGP8604 posted by (C)ボクチンの母
数十年来、某メーカーの六君子湯エキス製剤を愛用されていた女性。ここ数年はご無沙汰されていたので忘れていたが、先日、彼女の娘さん(中年)が代理で久しぶりに購入に来られた。
それで思い出したのが、以前から口にされていたことで、同じ名前の医療用のツムラの六君子湯エキス製剤を服用しても効果が感じられないということだった。
それで最近、久しぶりに胃腸機能が低下気味なので代理で娘さんが求めに来られたが、主治医ツムラの六君子湯では効果がないので、長年服用していた薬局の六君子湯を使うようにと奨められたというのであった。
彼女のような例は極端にしても、少なくとも医療用でしばしば使用されるツムラの六君子湯には、肝心な虚証用の白朮(ビャクジュツ)が配合されずに、実証用の蒼朮(ソウジュツ)が配合された錯誤による影響が大きいと思われる。
体質によってはこれほど極端に効果の差が出るのだから、天然生薬を用いた漢方薬は処方名が同じだからと言って、同じ効能を発揮できるとは限らない。
ましてや肝腎な脾虚に対処する白朮が使用されないで、脾虚には微効の蒼朮で代用されたのでは、六君子湯証があっても、この一味の錯誤によって効能に雲泥の差、天と地ほど効果に違いがあっても不思議は無い。
それどころか、彼女の場合は、有効と無効の違いが歴然とするのだからメーカーの姿勢が問われる大きな問題である。
参考文献:白朮を蒼朮で代用する杜撰

ペンタックス K-x posted by (C)ヒゲジジイ
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