年齢 : 70歳〜79歳
ご職業 : 無職
お問い合わせ内容 : 鼻汁がよく出るようになる漢方薬はありますか。常時使って問題のないものです。
「理由」若いころ、蓄膿の手術を受け、近年鼻がつまり困っているので。
ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復
先ほどお返事したところ、文字化けしてしまいましたので、あらためて別便にてお返事申し上げます。
頂いた文面はあまりに短く、推測に推測を重ねる以外にしようがありませんが、「鼻汁が出るようになる漢方薬」という表現をされるからには、鼻腔内が乾燥気味で、そのために鼻づまりを生じているような状態なのでしょうか?
もしもこの推測が当たっているなら、蓄膿症を繰り返している人に往々にしてみられる症状でもありますが、ややご高齢による体液欠乏も多かれ少なかれ絡んでいることと推察します。
このような場合、多くは辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)を中心にした方剤で軽快することが多いものですが、中医学的には肺陰虚に肺熱を伴った症候がみられる場合に適応する方剤です。
正確なところは、お近くの漢方専門の医師か薬剤師に直接ご相談してみなければなりません。
当方の地元近辺でも、80歳を越えた常連さんの中に、風邪を引いた後に必ず副鼻腔炎症状が勃発するので、この辛夷清肺湯を一ヶ月も服用すれば無症状になるものの、数年に一度はこの方剤が必要になる人もあれば、過去、頑固な蓄膿症で、手術を繰り返した人などでは、長期の連用を必要としている人もかなり多いという現実があります。
多くは、体質に合った他の方剤(六味丸系列など)との併用を必要としているケースが多いのですが、辛夷清肺湯にしても六味丸系列の方剤にしても、胃弱の人には使用しにくい方剤類です。
以上、僅かな文面での推測ですので、不正確なお返事にならざるを得ませんので、メール相談や電話相談だけで決めず、直接お近くの専門家に御相談下さい。
以上、簡単ながら、お返事まで。
頓首
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