吉林参(ウコギ科のオタネニンジン)は、唐の太宗の時代に薛仁貴を派遣した遼東征伐において発見したものである。
張仲景の傷寒・金匱が著されたのは東漢であるから、歴史の時間的な前後関係から考えると、仲景の言う人参は、実際には現在の党参(キキョウ科ヒカゲノツルニンジンなど)に該当するのである。
それゆえ脾虚による心下痞には党参を用いて、独参湯証の場合にこそ(党参では効果が乏しいので)ウコギ科の人参を用いるのである。
このような内容が、1980年に王占璽氏が著した「中薬処方的応用」(科学技術文献出版社重慶分社発行)に書かれている。
専門家にとっては青天の霹靂の説なのだが、真偽のほどは如何?
確かに実際的な面でも大いに説得力のある説で、たとえば小柴胡湯や補中益気湯など、朝鮮人参が配合された漢方処方類というのは、人参の峻補に過ぎる面を感じるケースが少なくないのである。
党参に比べて人参の方が温補に過ぎ、また補水作用が強すぎて、時に体質によっては浮腫を誘発する場合もあり、さらには高血圧を助長する場合がある。
それほどウコギ科の人参というのは作用が比較的強いのである。
だから弁証論治を誤ると、アトピー性皮膚炎などの皮膚病を増悪させるケースも稀ではない。
その点では、党参は暖め過ぎず、補水作用も強くない、高血圧を誘発する恐れも全く無い。まるでヒゲ薬剤師のように温和で地味な効果だが、安心して使用できるものである。
ところが悲しいことに、日本で党参が配合された漢方製剤は数えるほど少なく、イスクラの補中益気丸や天王補心丹、帰脾錠、十全大補丸、星火健胃錠などに限られている。
なかなか世の中、思うようにならないものですねっ
とは言え、村田漢方堂薬局では人参が配合された漢方処方を販売することは、世間様に比べてかなり少ないようだから、まっ、イイカって〜〜〜とこですけどね。
蛇足ながら、って^^〜〜言いながら長くなるけど、当時はとても研究熱心だったヒゲ薬剤師は、ウチダ和漢薬さんに頼んで党参の最高品質の潞党参を香港から空輸で何と100Kgほど輸入してもらって吟味しつつ、「漢方の臨床」誌や「漢方研究」誌に拙論を発表したものである。
同時に各種の党参の見本、川党参などを取り寄せてもらって、それをきっかけに日本市場にも党参が流通するきっかけを作った経験があるが、黄耆にしてもウチダさんに綿黄耆を輸入するように仕向けたのもヒゲ薬剤師である。当時は原料生薬においては、強い発言力を発揮していたものですよ。
のみならず、今じゃ〜既に活血化瘀で有名な丹参 (たんじん)をウチダ和漢薬さんでスムーズに流通するきっかけを作った業績がもっとも大きいかも知れない。
こんな過去の思い出話しや自慢話しを書くようになっちゃ〜〜おしまいですね。老化現象がイヨイヨ加速しているに違いない
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