ノゴマ(雄) posted by (C)ヒゲジジイ
重度の慢性疾患や難病指定を受けるよう疾患など、あるいはしばしば見られるアトピー性皮膚炎などでも、西洋医学治療では無効であったり不十分と感じられた人達の漢方相談はもっとも多い。
せっかく漢方薬の効果がしっかり出ていても、中途半端な段階で中断されると再発することはほとんど必至。
ところが順調に経過した人ほど、しばしば7割程度の寛解が得られた段階で、突然中断されて無音となることが多い。
案の定、早い人では数ヶ月、遅い人では一年以上経って再発し、久しぶりにやって来られたケースが今年の春も何名か続いた。
もともとの病気の性質によっては、効果を発揮していた従来の配合で直ぐに一定レベルまで回復する人ばかりとは限らない。
数ヶ月〜1年以上のブランクが証候変化を生じて病状をこじらせ、以前よく効いていた配合では太刀打ちできなくなっていることも多く、弁証論治をやり直して、さらに増強しなければならないケースもしばしば。
「どうして中断したのよっ」と言っても詮無い話。
せっかくあそこまで回復していたのに、どうして中断したのか、なんとも理解に困しむものの、所詮はご本人自身の問題である。こちらがそれ以上気を揉んでも仕方がない。それこそ自己責任の問題でもある。
それらの多くの人が、せっかく効果があった漢方薬だから、できれば一生涯服用し続けたほうが無難な疾患であることも多い。それほど難治性のものであるケースが多いのである。
総じて言えることは、やや不思議な感もないではないが、一定の安定した効果が持続出来るまでにはお互いの苦労が絶えず、繰り返しの弁証論治に難航したケースほど、病の重大さを悟られる人が多いように思われる。
それゆえ、少々のことではへこたれずに、8〜9割以上寛解の安定した状態を維持すべく、服用回数を減らすなどしてでも、根気よく継続される傾向が強い。
アトピー性皮膚炎などは、うっかり中途半端に中断しても、多くの場合は心を入れ替えて再度頑張り抜いてもらえば、いくらでも取り返しがつく疾患ではあるが、アトピーのような訳には行かない難治性の疾患も多いのである。
たとえば、僅か数ヶ月の中断で、元のレベルに戻せるかどうかは五分五分の段階まで悪化し、尿素窒素やクレアチニンの値が急上昇してしまったケース。
ご本人のたっての希望であった透析が避けられるかどうかは五分五分、あるいはもはや時間の問題かもしれない。
中には命に関わるケースでも、信じられない即効があったことに喜ばれ、しばらくは継続服用されておられたが、突然半年以上の無音が続いた。
そうして突然来られた時には再発して病状も悪化している。経費的な問題で中断せざるを得なかったとのことで、今回からは以前の半分以下の経費で配合を減らして欲しいとの依頼。
もちろんご希望に沿わざるを得なかったものの、久しぶりに来られたのはそれが一度切りで終わり、そのまま長く無音が続いている。
このようなケースは気の毒でならない。
ノゴマ(雄) posted by (C)ヒゲジジイ
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