2006年06月14日

産後に発病したアトピー性皮膚炎?の御相談

女性
お問い合わせ内容:
結婚してから家事をするようになったからか、子供を産んで体質が変わったからか、5年位前から皮膚の状態が良くなくて悩んでいる。アトピーらしいものがひじ裏、ひざ裏、うなじなどに出ている。全身(顔以外⇒顔や頭はあぶらっぽい)、ひどい乾燥で、痒みがすごい。
 
 掻いた跡や色素沈着もあって汚い。母乳後はおっぱいも痒い。

 手や足、おしりを強く掻くと、一時的に盛り上がったものがぼつぼつでてくる。
 また、主婦湿疹?手湿疹?も指に出ていて、とっても痒い。

 皮膚とは別に、昔から首こり、肩こり、腰痛もひどい。
 出産後は少し目頭の辺りも痛いほどではないが気になる。
 子育て中なので、寝不足・食生活の乱れからか・・・、とにかく困っています。

 漢方は飲んだことはありません。
 皮膚にはステロイドや保湿クリームを塗っていますがよくなりません。

ざっと症状をお伝えしましたが、なにかアドバイスいただけると助かります。漢方でどうにかなりますか?


ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復

 ご様子から察するにアトピー性皮膚炎のようですね。通われている皮膚科?の先生もそのような診断ではないのでしょうか?
 ステロイドや保湿クリームを使用されていると書かれているところを察すると、皮膚科で標準治療を受けられているのであろうと察するわけですが、西洋医学治療でも、

http://murata-kanpo.ftw.jp/u48283.html

 上記のように、金沢大学の皮膚科の竹原先生が示されている西洋医学治療を正しく行う限りは、ステロイドの副作用をほとんど出すことなく、上手にコントロールできるということのようですよ。

 但し、キメ細かな指導を受けられているかどうかで、経過はかなり異なってくるようです。
 これまで、どの程度、西洋医学治療を行って来られたのでしょうか?

 本当に西洋医学治療が無効なのかどうか?
 あるいは正しい指導を受けているかどうか? このへんも問題だと思います。

 漢方薬治療は、西洋医学治療で頑張っても治らなかったアトピー性皮膚炎の多くを軽快させることが出来るものです。
 但し、正確な弁証論治(その人の体質と症状に見合った適切な漢方薬の配合や組み合わせ)があって、はじめて可能なことです。

 よくみられる疾患の中でも、アトピー性皮膚炎は、かなり正確で慎重なピントの合わせ方をしないと、おざなりで漢方薬を合わせても、効果が出ないどころか、時には却って逆効果ということもありますので、経験を積んだ専門家と綿密詳細な御相談の上でないとこころもとないものです。

 当方でもしばしば西洋医学治療で治らなかったばかりでなく、漢方治療を受けても治らなかった人達の御相談は毎年かなりな人数になりますが、ピントのずれた漢方薬が出されているのをよく目撃しています。

 お近くで、アトピーに自信を持っている経験豊富な漢方専門の薬局などであれば、自費の漢方というのはほどほど経費がかかるものですが、軽快することは可能です。

 要するに、アトピー性皮膚炎に関しても、漢方薬はとても効果的なのですが、はっきり言いまして、腕の優劣が歴然と出てしまうデリケートな疾患ですので、専門家を慎重に選ばなければならない、ということです。

 たとえば村田漢方堂薬局の仕事で言えば、服用される人が本気で切羽詰った思いで来られる方が多く、しばらく漢方に賭けてみるという熱意で来られる方しかお受けしない習慣から、そのお陰でジックリとピントを合わせることができるので、ここ何年も有効率殆ど100パーセントで、多くは比較的スムーズに軽快されています。

以上、ちょっと寝ぼけた散漫なお返事になって恐縮です。
頓首
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posted by ヒゲジジイ at 02:15| 山口 | 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする