2011年03月14日

アルツハイマーに対する医師の処方例

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BSC_8126 posted by (C)ヒゲジジイ

 大地震が起こる前に関東の先生から頂いていた再度のおたより。
 あの巨大地震のショックで茫然としたままブログを更新する気力を失っていた。

 関東の先生のクリニックは被害はなかった模様で、皆さんご無事とのこと。

 村田漢方堂薬局の漢方を利用されている人の中には東京や横浜や埼玉、のみならずもっとも心配なのは岩手県のご一家。大変な時に無事かと連絡を取るのは憚られ・・・(ヒゲジジイの個人的な経験では家の近所で火事があったときに、ご心配の電話やメールを頂いて、却って煩わしかったことがあるので、こちらから連絡するのは遠慮しています)。

 おたより:関東の内科医師

 毎週、水曜日は訪問診療のアルバイトをやっています。
 昨日の患者さんの漢方治療をお話致します。

 70代のご夫婦のお話です。

 アルツハイマーの奥さんが徐々に歩けなくなってきました。
 自分が訪問するようになって3ヶ月弱。

 旦那さんの献身的な介護に心を打たれ本気で治すことが必要なのかな?と思いました。

 漢方治療は一般治療と比べて傍流であり患者さんに漢方治療をするときに抵抗があります。

 開業をしたことから意を決して…漢方エキス薬治療を始めました。

 そして…2週間後の昨日。
 アルツハイマーでトンチンカンな返事しかしなかった奥さんがしっかりと返事をするのです。

 一番…驚いたのは自分かも知れません。
 次が…旦那さんかな?

 先生。
 処方内容は… 牛車腎気丸と理中附子湯です。

 下腹の力が抜けていて心窩部直上の熱があり地黄が必要な患者さんでした。
 とすれば…六味丸関係と白朮が入っている処方です。

 自分は漢方が正しく発展するようにしたいです。

 おやすみなさい。

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BSC_7953 posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:

 先生はきっと天才的な漢方感覚をお持ちなのですねっ!

> 下腹の力が抜けていて
> 心窩部直上の熱があり地黄が必要な患者さんでした。
> とすれば…六味丸関係と白朮が入っている処方です。

 この下腹部の力が抜けていれば八味丸系列というのは分かるのですが、「心窩部直上の熱があり地黄」という部分が、なぜっ?

 この熱は実熱か虚熱か?

 結果から見ると虚熱のようですが、陰虚による熱か、甘温除熱的な陰火のことなのか?

 配合から察するに両者が合併した熱なのか? 中医学的には様々に想像されますが、先生はまったく天才に違いありませんっ!

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BSC_8506 posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 07:47| 山口 ☀| 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする