2006年05月29日

漢方、生薬による、メタボリックシンドロームの改善または予防で使用される方剤と予後について

医療・福祉関係
ご質問メール : 漢方、生薬による、メタボリックシンドロームの改善または予防で使用される方剤と予後を教えてください。


お返事メール:拝復

 漢方は西洋医学とは異なり、人間様の共通性よりもそれぞれの特殊性を重視しますので、一概に言えるものではありません。

 西洋医学で注目されだしたからと言って、防風通聖散が適応するなど様々言われていますが、そんな一般化した方剤で対処できるものではないと思います。
 あくまでその人その人に正確な弁証論治に基づいて使用すべきであり、そうでなければ効果を発揮出来るものではありません。

 そんなことよりも、この長く続く飽食の習慣を止めるのが一番の予防ではないでしょうか?

 当方の薬局では、この問題で相談に来られる人があったら、まず「食べるのを止めよ」と言って、漢方薬は一切奨めないことでしょう。

 もちろん、本気で体質改善の意欲と熱意があって、是非にと懇願されれば、まずは食事制限と共に、弁証論治に基づいた方剤をアドバイスすることでしょう。

 中医学的にはおそらく血瘀○(けつお)の問題のみならず湿濁・痰濁・湿熱・痰熱の問題がかなり絡んでくるものと想像します。

 しかしながらどのようなご相談であれ、当方では西洋医学で治りが悪い、あるいは治らないというような段階でないと御相談に乗ることは稀ですので、シンドロームの段階では扱うことは滅多に無く、大事になって以後の漢方相談ばかりですよ。

 予防となれば食事制限以外にも、規則正しい生活と適度な運動などというのは、言わずと知れたことなので、そんな常識的なことをここで述べてもしようがないことと思います。

 結論として、「痰濁や湿熱と血瘀○(けつお)の問題が絡むであろう」ということですが、それぞれの体質上の個別性というものを正確に弁証分析して方剤を考えなければならないのですから、一般論としてこの方剤です、などと単純化は決して出来ないということです。

以上、簡単ながらお返事まで。

頓首
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posted by ヒゲジジイ at 00:03| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする