2010年12月09日

免疫の不思議

ジョウビタキ(雄)
ジョウビタキ(雄) posted by (C)ヒゲジジイ

おたより:東海地方の美人薬剤師

大変ご無沙汰しています。
 随分と冷え込んで参りましたが、お元気でいらっしゃいますか?
 こちらでは、胃腸風邪がかなり流行しています。
 インフルエンザはまだまだ少ないようですが、風邪にかかった方は例年に比べて治りが悪く、長引いている方が目立ちます。

 又、インフルエンザの予防接種をしたら、咳が止まらなくなった、吐き上げるお子さん、下痢が止まらないお子さん・・・が、本当に多いようです。

1,今年の夏は異常に暑かったために、冷たいもので、脾胃を傷めすぎたこと
2,肺と大腸を補い、冬に向けての体を養うための秋が短すぎたこと

が原因ではないかと思っています。

 体が弱っているために、邪が追い出しきれず、いつまでも伏飲したり、ソウリの開閉も悪く、病が治りきらないうちに、新たな邪を引き込んでしまう方も見られます。

 これからうんと冷え込み、インフルエンザが蔓延したら、かなり重症化する方が増えるのではないか・・・?と危惧しています。

 それとは引き替えに、アトピー、アレルギーの方は、この冬比較的順調です。

 どう分析したらよいのかわかりませんが・・・・。
 ただ先生がおっしゃられるように、微調整はかかせませんね。

 予防接種を打ってから、肌の調子が良いというアトピーの方もおられ、これは免疫のバランスなのでしょうか?
 これから特に宴会シーズンに入るので、養生してもらわねばなりませんね(笑)

ジョウビタキ(雌)
ジョウビタキ(雌) posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:おたよりありがとうございます。

 予防接種を受けて、アトピーの調子がよいとは、本当に免疫というのは実に奇妙なシステムですね。

 当方にも数ヶ月前より関西から二週間ごとに通って来られているアトピーの人が、数ヶ月目でB型インフルエンザに罹り、タミフルを服用して治癒して以後は、一段と寛解が得られて黄連解毒湯を中止できるまでになり、その他の清熱剤もほとんど使用する必要がなくなっています。

 かと思えば、昨年春、重症のアトピーの女性が、数ヶ月でかなり順調に経過していたのが、インフルエンザに罹り、タミフルを服用した途端、爆発的な再燃となり、完全に振り出しに戻ってしまった人もおられました。現在は9割以上の改善を完璧に一年以上持続しています。

 さらに免疫の驚くべき事例としては、一昨年の梅雨、関西からスキルス胃癌(印環細胞癌)とて、手術は怖いので漢方薬で治してくれと、とんでもない要求で来られた三十代の女性がおられました。
多少とも免疫力アップのお手伝いくらいはできるが、必ず手術は受けるようにとかたく約束して7月に手術の予定も決まりました。

 そして手術前の検査を受けたところ、完璧に消えているというのです。漢方薬類を服用して一ヶ月足らずの期間でした。

 ところが、それまでなんともなかった漢方薬類を服用すればするほど過去の持病だったアレルギー性鼻炎や気管支喘息が次第に再発して来るような気配で、次第に漢方薬を服用するのが困難になったといいます。(追記:漢方薬類を中止すれば直ぐに鼻炎も気管支喘息も完全に治まります。)

 その年、主治医も滅多にあり得ることではないので、念を入れて毎月のように検査をしてくれても、まったく痕跡も残さず消えているということでした。

 同じスキルス胃癌で地元の若い女性で卵巣転移した事例などの経験が上記の女性にもフィットしたとしても、通常ならアレルギー疾患にも有効であるはずの配合内容で、鼻炎や気管支喘息を誘発するような免疫ショックによってスキルス胃癌を退治できたのだろうと皆が想像したものでした。

ジョウビタキ(雌)
ジョウビタキ(雌) posted by (C)ヒゲジジイ



posted by ヒゲジジイ at 11:36| 山口 ☁| 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする