ご意見やご質問をどうぞ : はじめまして。
偶然こちらのブログを拝見しました。
漢方薬について疑問があったものですから教えていただければ幸いです。
アトピーで今日診察に行った皮膚科で、温清飲と十味敗毒湯と竜胆しゃ肝湯を1日2回ずつ21日分処方されました。この3種類の薬は一度に飲んでよいものでしょうか。
ヒゲ薬剤師のお返事メール:皮膚科の先生がそのように指示されたのなら、飲んでよいのでしょう。
但し、どの程度の漢方知識があってこのような地黄や当帰がダブって大量になる配合を考えられたのか、よっぽど数十年以上の大ベテランの名人か、あるいはヒヨッコの駆け出しの基礎理論を知らない先生であるか、二つに一つでしょう。
こういう皮肉が言いたくなるような、やや支・・・な配合、というと言いすぎかも知れませんね。
一緒に服用下からと言って、合成医薬品(新薬)のような危険性はありませんが、運が悪いと、胃もたれや逆にアトピーが悪化することもあり得るでしょう。
但し、当方では貴女様と直接お会いして症状その他も深く御相談を受けた上での回答ではありませんので、メールで記載された配合上だけでの推測や憶測に過ぎません。
もっと詳細な記載のある御質問であったら、と残念です。
こういった質疑応答は主には、
漢方と漢方薬の質疑応答集と村田漢方堂薬局の近況報告
でやっておりますので、ご参考までに。
その代わりに、このブログでは、往復のメールの内容を公開しているわけですが・・・(もちろん固有名詞は隠してますが)
以上、簡単ながらお返事まで
これに対するお返事:さっそくのお返事ありがとうございます。
今年の4月で漢方で治療を始めて2年経つのですが、1年目は調子が良かったのですが2年目からだんだん調子が悪くなり、自分としては処方に不満もあったのですが、なかなかすっきりといかず、だんだんとアトピーの調子が悪くなってきていました。
それが去年の夏頃から今までの様子です。
処方は、夏は補中益気湯・猪苓湯・三物黄ごん湯でした。
その後、温清飲・五苓散や加味逍遥散・消風散や加味逍遥散に温清飲や十味敗毒湯を組み合わせた処方をしてもらっていました。
年齢が43歳で、生理が不順になってきたことと、寝汗がひどくなったことで更年期も考えて加味逍遥散を中心に処方してもらってました。
猪苓湯や五苓散が出ているのでもわかると思うのですが、水毒があって、体調を崩すとすぐに尿の出が悪くなります。
しかし、猪苓湯も五苓散も尿量もむくみも解消してくれず、一番効いたのは消風散と竜胆しゃ肝湯です。
なんとなく薬が合ってないのではないかと感じていたのですが、ここ1週間位とても悪化したので、思い切って病院を変えてみました。
(それまで飲んでいたのは加味逍遥散と温清飲です。)
それが、今日のことで、某有名大学病院の漢方講座の臨時講師をされているという皮膚科の先生です。
今までの先生は、一応お腹を触って、舌を見て脈を取ってということをされていたのですが、今回の先生はそういうことは一切なく、皮膚の状態のみで処方されました。
漢方薬の本で、十味敗毒湯と竜胆しゃ肝湯を一緒に飲むというのは見たことがあったのですが、それだけでも胸がやけそうで便秘するかなと思ったのですが、更に温清飲というと、毎日快便は無理ではないかと。
温清飲は飲むと胸がザラザラする感じがあって、あまり良い感じを持っていませんでした。
そこの病院で漢方薬は副作用がないから大丈夫と言われたのですが、本当に飲みすぎて肝臓を悪くしたりすることはないのでしょうか。
そういう不安もあったので、インターネットで色々検索した結果、そちら様のブログに行き当たり、不躾にも質問をさせていただきました。
どこから説明したらよいのかわからず、簡単な質問になってしまいました。
そのような質問に丁寧にお答えいただき、ありがとうございました。
とりあえず、今は十味敗毒湯と竜胆しゃ肝湯を飲んでいます。
これからブログをじっくりと読ませていただきたいと思います。
ヒゲ薬剤師のお返事;拝復
漢方薬で肝臓を悪くするようなことは滅多にあるものではありません。
そのような確率の低い問題のご心配よりも、2年間も漢方薬を使用されながら、悪化傾向にあることの方が大問題だと存じます。
つまり、2年間も効果が無かったこと自体が、既に間違いだらけの漢方薬の配合だった証拠だということなのです。
とりわけ、「補中益気湯・猪苓湯・三物黄ごん湯」このような配合は、ほとんど支・・・で、(ほとんど)あり得ない配合です。
余程の名人か、でなかればドシロウトの配合だということです。
また、これまでの概略を読ませて頂いただけでも、正直に申しまして、あまり漢方薬に堪能でない先生方ばかりのようにお見受けします。
もっと真の漢方薬のプロを見つけられれば、2年間もあれば少なくとも8割以上は緩解してしまえるものです。
以上、簡単ながらお返事まで。
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