2010年10月07日

不定愁訴で一ヶ月服用して症状の改善が見られない場合でも同じ漢方薬を続けるべきか?

ジョウビタキ(メス)
ジョウビタキ(メス) posted by (C)ヒゲジジイ

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年齢 : 30歳〜39歳の女性
簡単なご住所 : 九州地方
お問い合わせ内容 : はじめまして。

 現在、●●市内の漢方薬局にて漢方薬を処方して頂いておりますが、村田先生のお考えを聞かせて頂きたく、メール致しました。

 症状は胃酸過多・胃下垂・便秘・汗かき・のぼせ・浮腫・頭痛・頭重です。
 少しでも症状が緩和出来ればと思い、胃腸科・産婦人科等で検査をしましたが特に異常は無く、対症療法で薬を処方されるばかりでした。最終的に心療内科へ行き、緊張が原因だからと抗不安薬を勧められ、病院での限界を感じ、漢方薬局へ伺った次第です。

 五年前にB型急性肝炎を患い、抗体が出来て完治に至り肝機能の数値も正常に戻ったのですが、出来るだけ肝臓に負担をかけたくないという理由からです。現在、処方されているのは桂皮・芍薬・干薑・大そう・甘草・膠飴・黄耆で、脾の陰虚熱によるのぼせ他に効果があるとの事です。

 朝晩の空腹時に飲み始めてまだ一ヶ月ですが、身体の変化は良くも悪くも何もありません。

 先生へ聞いたところ「長年の積み重ねがあるので、なかなか効果は出ない。子供でも三ヶ月、大人だともっと長い期間を要する。悪い影響が出ない限り、今の処方で飲み続けて下さい。」との事でした。
 自分の見立てが間違っているとは思えないとの事で、村田先生の様に十日ごとの微調整はされない方針の様です。

 そこで質問なのですが、このように最初の見立てのまま長期間飲み続けなければ効果を発揮しない場合があるのでしょうか?

 村田先生のおっしゃる渡り鳥にならない様に、しかし、しっかりした漢方薬局へ通いたいという思いとの間で、どう行動すべきか分からず困っています。今の漢方薬局がしっかりしている薬局なのか、他の薬局へ行くならどの段階なのか、自分で判断出来ないでいます。

 村田漢方堂薬局へ伺いたい気持ちもあるのですが、実はネットで先生のブログを発見してちゃんと読み進める前に、ちょっとお尋ね電話をしてしまい勿論お断りされたという経緯があり、未だ勇気が出ないのが現状です。

 その節は御手を煩わせてすみませんでした。お時間のある時で結構ですので、返信頂けると助かります。宜しくお願い致します。

コムクドリ
コムクドリ posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール: ちょっとお訊ね電話を下さったことがあるそうですが、どの電話であったか受付嬢も記憶がないことでしょう。すべてお断りの対象となる「ちょっとお訊ねですが」のお電話は日々尽きることがありません(笑。

 ところで貴女が現在、服用されている漢方薬の処方名は黄耆建中湯(オウギケンチュウトウ)という処方ですが、九州では処方名を教えてくれない薬局さんが多いようですね。配合成分を教えてもらえるだけまだマシかもしれません。
 現在の症状は、いわゆる不定愁訴症候群のようですが、女性であることにも配慮した弁証論治が必要であると思います。

 症状の中に浮腫とありますが、浮腫の程度と内容によっては、黄耆建中湯の場合、甘草や膠飴や大棗によって余計に浮腫が悪化する場合もありえます。
脾陰虚による虚熱があると解釈されているようですが、それがどうして脾胃の虚寒証に対応した黄耆建中湯となるのか疑問ですが・・・。

 前置きが長くなりましたが、ご質問の「最初の見立てのまま長期間飲み続けなければ効果を発揮しない場合があるのでしょうか?」に対するお返事。

 不定愁訴症候群のような様々な症状がある場合、すくなくとも一ヶ月以内に一つ二つくらいの改善がみられなければ、その後も、そのまま同じ方剤を続けても効果が出るとは考えにくい、ほとんどありえないことでしょう。

 残念ながら、もしかしたらロクデモない先生に出くわしたのかもしれません。

 なお、当方では7〜20日毎(関東地方の場合では内容によっては一ヶ月毎くらい)のペースでしばらく通える人でなければ、一部の例外(常連さんやお馴染みさんのご家族の場合は例外)を除いて、すべてお断りさせて頂いています。
 当然、安定した効果が得られ、配合パターンが決まってからは遠方ゆえに、一ヶ月毎に、あるいは数ヶ月毎のまとめ買いペースに切り替える人もザラです。

 もちろん今現在でも近畿地方や中国地方や九州を含めた隣県レベルでは7〜15日毎に通われて順調に寛解中の人はたくさんおられます。
 関東地方の人達は一ヶ月毎のペースの人もおられますが、たまたまその方が都合の良い病状でもあったりします。

 さいわいなことに、現在のところ渡り鳥らしき人は僅少です。
 もしも渡り鳥さんが混じっていても、結局は渡り鳥さんでうまく行くケースは希です。
 渡り鳥さんたちは、少しくらいの効果ではなかなか忍耐が続かず、直ぐに息切れして去ってしまいます。

 貴女の場合、当方に遠路はるばる来られることを考えなくとも、よくある不定愁訴症候群のようで、あまりにもありきたりな症状ばかりのように思えますので、地元の漢方薬局でも十分、見立てのできる漢方薬局があるはずです。(但し、配合には数種類の方剤が必要になる可能性が高いと思います。)

 以上、取り急ぎお返事まで。

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IMG_9798 posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 23:18| 山口 ☁| 更年期障害・自律神経失調症や不定愁訴症候群 | 更新情報をチェックする