今日も飛んでるスズメのぼくちん posted by (C)ヒゲジジイ
漢方臨床報告:東海地方の内科医師
今年の夏は歴史的に暑かったそうでして、巷では熱中症のかたが多発して病院に搬送されると聞いていますが、当クリニックに通っている患者さんにお聞きしますと、「確かに暑かったけど、漢方のおかげか昨年よりも元気です」とか、「若いものたち(漢方をのんでいない)よりも食欲があり元気に過ごしています」、といった声が聞こえてきます。
飲んでいる漢方薬はいろいろですが、一応、ない知恵を絞って処方しているエキス製剤がお役にたっているのかもしれない、と自己評価に甘んじています(笑)。
村田漢方薬局でご自分に合った薬をだしていただいている老若男女も同じように感じておられるのでは、と想像をたくましくしています。
さて、今日のメールの枕が長くなりすぎました。簡単な処方がお役にたった症例をご報告します。
69歳の女性で、狭心症と脂質異常症があり、総合病院から投薬の依頼を受けて処方しています。西洋薬だけ処方しているのも能がないと考えていましたところ、患者さんから訴えがありました。
「近夏の酷暑でクーラーが良く効いているせいか、若い者が温度設定をするために、この老体が冷えます。腰がすごく痛くて足先もつめたいです。なんとかなりませんか。若い者に温度を高くしてくれという訳にもゆきません。いろいろ身の回りの世話をしてもらっているので」
診察しますと、確かに足先が氷のように冷たく(やや大げさ?)、腹部を触診しますと、お臍の下が虚脱して冷えていました。
以前漢方を師事していた時のことを思い出して牛車腎気丸と疎経活血湯を処方しました。
その1カ月あとの受診のときに、患者さんから腰とか足の話はありませんでしたので、効果はあったと思っていました。
そして、昨日受診のときに、患者さんが驚いたような表情でおっしゃいました。
「つい先日総合病院で1年ぶりの心臓検査をうけたのですが、いままで幾年も指摘されていた異常(患者さんからの話から負荷心電図のこと)が全く消失していたのです。担当医も驚いていました」
どうも牛車腎気丸と疎経活血湯が冠状動脈の変化にたいして効果があったようです。
私としては足腰の症状を改善するために処方したくすりが、思いもよらない歓迎すべき効果をもたらしたのですから、この患者さんにとって歴史的な酷暑に感謝していただきたいところです。
ということで、この夏の酷暑の巷の噂は、当クリニックに通っている患者さんたちにとっては、他人事かもしれません。
村田さんからのご助言が多くの患者さんにお役にたち、夏バテすることなく通院しておられる姿を見ますと、高杉晋作の活躍した山口県にある村田薬局に向かって一礼したい気持ちになります。
おそれながら、深く一礼。
イソヒヨドリ(オス) posted by (C)ヒゲジジイ
お返事メール:貴重な臨床報告ありがとうございます。
たしかに当方の常連さんのお年寄りたちは、すさまじい炎暑が続いた真夏でも、一人として体調を崩された人はおられませんでした。
体調を崩す人達は、いずれも新しい人達や、たまに漢方薬を利用してる人達ばかり。
長年、漢方薬を愛用されている人達は元気溌溂。ボケることもなく、癌になる人も・・・あっ、お一人だけ低悪性度リンパ腫、ピロリ菌によるMALTリンパ腫になった人がおられましたが、根治までもう一息の段階。
ところで、乃木希典は長府藩の報国隊に入り高杉晋作の奇兵隊に合流し幕府と戦った経歴の持ち主。長州藩では多くの英雄を輩出したとは言え、高杉晋作にあこがれたという菅直人なるもの、長州人の風上にも置けぬ腑抜け。ほんとうに長州人も地に落ちたものです。
昭和陸軍になって「また乃木式か」と言って、乃木の武士道精神を蔑ろにしたツケが、回りまわって現在に跳ね返って来ているようです。
ともあれ、牛車腎気丸と疎経活血湯の配合はそのような環境下のお年寄りに的確にヒットされたご様子。しかも虚血性心疾患にも連動して奏功するなどは、漢方薬ならではのお話ですね。
お陰さまで、眠りかけているブログに活を入れて頂ける貴重なご報告、ありがとうございました。
【編集後記】 5年以上も前のことだったか、同じくピロリ菌により生じた胃の低悪性度リンパ腫であるMALTリンパ腫により胃の全摘を宣告された女性。
すでに2年以上あらゆる病院治療で死ななかったピロリ菌が、多種類の漢方薬類の併用でほんの一ヶ月前後で腫瘍も含めて完全消失でき、手術を免れた幸運な女性がおられた。
この女性が後年、下肢静脈瘤でまたまた手術を宣告され、自己判断で以前にMALTリンパ腫のときに服用した漢方薬類のうち残っていた一種類●●●●●を取り出して服用したところ、下肢静脈瘤が短期間でほぼ消失して今回も手術を免れた。
それ以来、この女性はこの一種類だけは徹底的に継続服用されているが、もともと下肢静脈瘤に効能があるとは思われない生薬であるので公表を避ける。
漢方薬ではときとして信じられない素晴らしい作用を発揮してくれることがあるが、専門家でも信じられないときには、主治医を含めた証言者がたくさんおられても、公表する気になれないケースもある。なぜなら、どう考えても再現性があるとは思えないからである。
その点では、今回おたより頂いた東海地方の内科医の先生によるご報告は、弁証論治が的確でさえあれば多かれ少なかれ再現性は大いにありえる事である。
コサメビタキ? posted by (C)ヒゲジジイ
【関連する記事】
- 煎じ薬が不要となったのは中医薬学理論を学んだお陰
- 漢方薬配合のピント調整について
- 創立40周年を迎えられた美人女性薬剤師さんからのおたより
- 台風停滞による体調の異変に対するツボ療法と漢方薬
- 漢方や中医学について、やけに詳しい素人さん達は・・・
- クレーマー予備軍を避けるために
- 藿香正気散と猪苓湯の応用
- 病気が治らない人の共通点
- 中医学的な「虚熱」のイメージ
- 高血圧と塩
- アルツハイマーに対する医師の処方例
- 開業が近い関東地方の先生からのおたより
- ほめ殺し?(苦笑
- 「免疫の不思議」の続き
- 免疫の不思議
- 開業間近の関東の先生からのおたより
- 北海道からのおたより
- 夏は内臓が冷える季節
- 夏バテについて
- 開業準備中の内科医の先生からのおたより