ミサゴのダイブ posted by (C)ヒゲジジイ
適切な漢方薬を選別するには、もとより具体的な症状を詳細に報告してもらう必要があるが、なかでも最も大切なのは「寒熱」の問題。
患部を冷やすと気持ちが良いのか? 温めると気持ちがよいのか?
冷え症の訴えはよいが、手足や腰が冷えるのに、上半身は冬でも薄着で平気な人などは寒熱に矛盾があるが、矛盾を生じる原因は詳細な弁証論治で解明される。
たとえば、体内に冷えは存在しなくとも、オケツによる血行障害によって手足や腰が極度に冷えているだけというケースにしばしば遭遇する。そのような場合は、活血化オ作用にすぐれた大黄配合の方剤で簡単に手足や腰までもが温まることも稀ではない。
ともあれ、寒熱には虚熱や実熱、虚寒や実寒というように寒熱にはそれぞれ虚実がある。
虚実の問題は、日本漢方のように体力があるのが実証、体力がないのが虚証、その中間が虚実中間証など、意味不明で理屈に合わない理論は早く忘れ去ることである。
ヒゲジジイが日本漢方に入門当初は、どの高名な先生方も虚実は論じても寒熱を論じる先生はほとんど皆無に等しかった。だからその当時の先生方の臨床報告を読めば、驚きを禁じえないことだろう。
中医学を学んだ先生方だけが寒熱を無視してはいけないと声高に論じられておられたが、それもほとんど馬耳東風の時代が長く続いた。
昨今の中医学の拡がりを思うと、実に隔世の感がある。えっ、それほど拡がってはないって?! ウソだろう(驚々!
ミサゴの弟子になったトンビ posted by (C)ヒゲジジイ
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