愛しのボクちん posted by (C)ボクチンの母
今年、新発売された補気建中湯エキスや荊防敗毒散エキスがとても評判がよいらしく、ヒゲジジイが配合を指定した責任上、かなりホッとしている。
補気建中湯などは胃弱気味で浮腫みっぽい人に評判がよく、この方剤がない時代には、参苓白朮散に半夏白朮天麻湯を併用してもらってしばしば効果を上げる機会が多かった。
この2方剤の併用を補気建中湯一つで賄えるのかもしれない。
補気建中湯はなにも腹水だけの専門薬というわけでもないのである。また、腹水でもこの方剤では効果がなく、分消湯を主体にした配合の方が適切な場合もある。
膵臓癌で、牛黄製剤や麝香製剤なども含めた数種類の併用により吐き気を即時に止めて食欲も一気に回復したというのに、さらに補気建中湯など様々に工夫しても、腹水をどうしても解消することができなかったケースがあった。実に慙愧に堪えない。
膵臓癌の手強さには今更ながら・・・絶句。
荊防敗毒散エキス製剤は、蓄膿症などに対する抗生物質的な使用方法が評判をよんでいるらしいが、村田漢方堂薬局ではそのような役割を他の中草薬で長年行なって来た。
それほど安価ともいえないのがやや難だが、製薬メーカーさんでは、既に輸入する漢方薬の製剤原料が放物線を描くように高騰する一方だから止むを得ないだろう。
現在、日本はデフレ基調が続いているが、漢方薬などの輸入原料は確実に高騰しているのだから、小売業界に影響が出る日も遠くないかもしれない。
高騰するだけならなまだしも、原料そのものが入りにくくなっているので、そのうち漢方製剤が製造できなくなる事態だけは来ないで欲しいものである。
時には精悍なボクちん posted by (C)ボクチンの母
ラベル:補気建中湯
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