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今から三十年前のバリバリの日本古方派時代の体験。
子供のいたずらを叱って「こらっ!」と怒鳴って振り向きざま腰を捻って拳(コブシ)を上げたと同時に右腰から足の先端にかけて激しい筋肉の引き攣りを生じて立てなくなった。
もう一度は煎じ薬の原料生薬を沢山保存しているブリキの衣装缶を抱えた途端、同様な症状を生じたとき。
いずれも芍薬甘草湯の煎じ薬で速効を得たものの、不安が残るのでさらに継続服用していたとき、いずれのときだったかは定かではないが、数日目に生じた突然の激しい排尿困難にはとても難儀した記憶が鮮明に残っている。
まるで急性膀胱炎と同様な症状で、尿意を催しても排尿が出来ない。いきんでも気張っても排尿できない。猪苓湯を大量に服用して難を逃れたが、甘草の大量使用による副作用は一過性のものであっても難儀である。
当然、このような症状が生じたら即中止すべきである。
だからその後、初めて経験した尿路結石で疼痛が生じたときでも、しばしば日本漢方で行なわれる芍薬甘草湯合猪苓湯は用いず、もっぱら猪苓湯去阿膠加金銭草などを主体に自己治療した。
もしも猪苓湯合芍薬甘草湯をどうしても用いたい場合は、甘草の配合量を極力少量に抑えておくべきである。
ともあれ、日本漢方における芍薬甘草湯の配合比率において、芍薬と甘草が同量であるのは悪しき古典主義の弊害であるとしか言いようがない。
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