2006年04月01日

漢方薬をサプリメントと同類に思っていた女性からの返信メール

返信メール:村田漢方堂薬局 村田恭介先生

お忙しい所早速ご返信していただき、ありがとうございます。

「◎◎◎◎」は、一応コンセプトとしては「漢方・中医学」に基づいた処方をすると書いてはあります。

相談員の女性に、先ほどメールでお送りしたような症状と、舌の状態を見せ、処方していただきました。

冷え性でも、赤みを持った湿疹がある場合は、荊芥連翹湯が良いと言われました。

万が一「めんげん」があるかもしれないとも、言われました。

今回処方した漢方薬は20日分なので、それがなくなる日にまた面談です。

相談員の女性は大体一緒のようです。

村田先生の仰るように、10日前後通いつめる必要性があるのは、10日前後である程度の変化が見込めるためでしょうか?

ちなみにそこでは荊芥連翹湯と一緒に、「×××」という高額なエキスも購入しました。
主な成分:霊芝エキス、クマ笹エキス、・・・エキス、・・エキス、・・エキス、リンゴ、果汁、還元麦芽糖 ……で \26,000 です。

この成分の効き目はまだ実感できていませんが‥。

今後も村田先生のサイトで、漢方に対する理解を深めていきたいと思います。

近年のめまぐるしく変わる健康ブームに踊らされて、目新しいあれこれに手を着ける以前に、じっくり腰を据えて体質改善していきたいものです。

宜しくお願いします。


これに対するヒゲ薬剤師のコメントメール:拝復

冷え性でも、たとえば舌質に赤味が強い場合は芯からの冷え性ではなく、血行不良のために冷える部分があるだけで、こんな場合はうかつに「強く温める漢方薬」は使えない場合があるなど、自覚症状だけでは決められない場合も多いものです。

それだけに「×××」などのような健康食品中の霊芝などは、キノコとしては価値あるものですが、赤味の強い湿疹であればよいとは限らず、逆効果となる場合が多いものです。

霊芝は温性の性質で、これが少し逆効果になることだって考えられる。

貴方のような湿疹を持っている状態で、このような高価な健康食品を出される意図がまったく不明です。

儲け主義ととられても仕方がないかもしれません。

成分中の熊笹などは無難でしょうが、熱性の湿疹であれば霊芝がよいとは限らない、ということです。

こういう配合を最初からされていると、荊芥連翹湯などの漢方処方の反応の良し悪しの判断が出来なくなり、中医学の弁証論治も何もあったものではありません。

ちょっ信じられないことで、同じ健康食品を使われるなら、まだニガリなどのほうがはるかにマシですよ(笑)

ところで、10日分にはとても意味があって、小生の長年の経験では、多くの場合、どのような病気であっても、7日から15日くらいまで、理想的には10日前後で反応を見れば、多少とも効果がみられるもので、まったく効果がない場合は、すかさず修正して、その繰り返しで、10日毎に確認しながら「小細工」をするのが一番早道だと考えるからです。

小細工というと聞こえが悪いですが、この小細工こそが漢方や中医学の妙味なのです。

以上、忌憚のない感想を述べました。

同じ健康食品を出されるにしても、しっかりした根拠のあるものを出してくれるところに変えたほうがよいかもしれませんね。

さきほども述べたニガリなどは、良質なものを使えばミネラル不足を補えるし、イオン化カルシウムなども便秘しない程度に少量補給するなど、健康食品にも合理的なものもあるのですよ。

でも、赤い湿疹が出ている人に、霊芝の含まれた健康食品とは、ちょっとネということです。

頓首

追伸

めんげん(めんけん)についての見解をすでに述べていますので、下記をご参照下さい。

http://murata-kanpo.seesaa.net/article/7867542.html


注記:上記「×××」という健康食品中に含まれる「霊芝」は中国の漢方薬製剤原料の原典ともいえる「神農本草経」に上薬として記載された優れたものであるが、残念ながら日本では健康食品扱いとなっている。
 また「クマ笹」については「本草綱目」に中草薬、つまり漢方の薬草として記載されている。日本では医薬品の製造許可を得て販売している製薬メーカーが一部にあるが、許可を得ない限りはすべて健康食品扱いであるから薬効はうたえない。
 「×××」にはこれ等以外にも漢方とは無縁の食品が複数含まれており、明らかに「いわゆる健康食品」であることがわかる。
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posted by ヒゲジジイ at 01:26| 山口 | 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする