2006年03月31日

漢方薬にサプリメント的なイメージを持っておられた女性からのお問い合わせ

お問い合わせ内容 : 初めてメールいたします。

私は28歳の女性です。漢方もサプリメント的なイメージでいたんですが、奥深いものなのですね。

村田先生のサイトを拝見し、果たして自分のかかっている大手の漢方薬局で大丈夫なのだろうか、と不安になってしまいました。

以下長々と症状等を書きますが、この処方が的外れだったりしたら、半年以上の時間がもったいないです。

可能であれば、●●で信頼できる医院のご紹介をしていただけるととても助かります。

私は、一週間前から漢方薬の服用を始めました。ケイガイレンギョウトウというもので、◎◎◎◎薬局にて、顆粒と煎じるためのパックを頂きました。

主な症状はまず冷え性、目の疲れ、脂漏性皮膚炎などです。肌は脂はあまり出てこなくなりましたが、胸や背中や首に膿を持った赤いニキビ様のものが出来ます。
痒みはありません。

小鼻の脇には毛細血管が見えた赤みがあり、かさついています。中学生頃から出来て、肌はシミだらけになりました。
薄いシミでもなかなか消えません。

目のクマも濃くどんなに寝ても消えず、パソコンを一日10時間以上見るデスクワークゆえに、疲れてくるとまぶしくて目を開けるのも苦痛になります。会社には23時近くまで居る事が多いです。

汗は、ちょっと動くとじわっとかきますが、基本的にほとんどかかないです。

皮膚全体(手も足も‥)、他の女性に比べ、キメがはっきり見えて乾燥しています。皮膚全体にムラがあるという感じです。

肌の色は色白ではなく、どちらかといえば浅黒い黄み肌です。

運動嫌いで血圧が低く、覇気がないというか、体力がありません。顔色が悪く血の気がありません。

天気が悪いと体が重くなります。

身体は166センチで50kg、昔から太った事はなく、発育不良と言った感じで体格が悪いです。

精神的に緊張しやすいたちで、緊張する場面になると胃痛と動悸、脇と額からしたたるほどの汗が出ることもあります。

怒りっぽい性格で、胃痛はしょっちゅうです。

神経過敏で眠りが浅く、嫌な夢をよく見ます。

昔から便秘気味で、むくみがあります。改善に長期間かかるだけに、間違った処方を何ヶ月も続けたくないと思っています。

本気で改善したいので、どうかアドバイスをお願いいたします。


ヒゲ薬剤師によるお返事メール:拝復

いわゆる虚弱性体質の一種のようですね。

パソコンを一日10時間以上とは、眼精疲労を起こしてもしようがありませんね。

以前、このために体調をひどく壊して都会で勤めていた一流企業を辞職して山口県に帰り、漢方薬でしばらく養生をして回復した男性がいました。

漢方薬とサプリメントは大違いですが、お気づきのようにその奥深さゆえに、構造主義科学の一つとして理詰めの合理的な判断が出来る医学・薬学理論(中医薬理論)が基礎になっています。

ただ、人体は自動車を修理するみたいにクリアーカットに割り切った部品交換で済むようには出来ていませんので、貴方のような虚弱体質を改善するにも、相当な熟練を要するものです。

一回の訪問でドンピシャの漢方薬方剤が決まるとは思えません。

書かれている症状からすると脾虚水帯(脾虚による水分代謝の停滞)も兼ねているようですので、ケイガイレンギョトウがあってるかどうかとは別の問題もあるようです。

つまり、一方剤だけではバランスがもう一つ取れないかもしれないということです。

脂漏性皮膚炎が正しい診断なら、病名治療的にはたしかに黄連解毒湯が有効な場合が多いので、ケイガイレンギョトウにも含まれていますので、それなりにピントがあっている部分もあるのかもしれません。

以上は、あくまで文面で少し推測してみただけのことですから、貴方の場合も真に体質改善を行おうとする場合は、信頼のおける漢方薬局やクリニックに、10日前後で根気よくしっかりとしたピントが合うまで通い詰める必要があると思います。

一発でドンとピントの合った漢方薬が得られるとは限りません。

よく漢方薬局やクリニックを転々とされるかたがおられますが、却ってアブハチトラズになることも多いようです。

それには中医学と日本漢方の両方を習得されているところが理想的ですが、現在通われているところにしても、中医学と日本漢方を両方習得されているかどうかを確かめられて、常に同じ先生が対応して下さるというのであれば、根気よく通い詰めるのも一つの方法だと思います。

そちらの地方のクリニックを御紹介したことがあるのですが、値段があまりにも高すぎたり、意外にピンと外れの処方ばかりが出されたり、あるいはご訪問前にお電話で御問合せしてみると、常には診療されておられず、各地の勉強会の講師の仕事が忙しかったり、あるいは予約制のために十分な御相談の日時を得られなかったり、これではしっかりとしたピントを合わせてもらうには不十分と考えられるケースが多い現実を伝えられ、驚くことばかりです。

以上、簡単ながらお返事まで。

頓首
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posted by ヒゲジジイ at 17:32| 山口 | 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする