2010年07月09日

アトピー性皮膚炎の増悪因子が明らかなケースでは、あるいは「でも」

子ツバメのお食事タイム
子ツバメのお食事タイム posted by (C)ヒゲジジイ

 アトピー性皮膚炎の増悪因子が個々人によって微妙に異なるが、猫アレルギーがある人も多く、猫に限らず犬などのペット類が増悪因子として働いていることは珍しくない。
 当然、明らかな増悪因子が判明しているときは、避けるに限る。

 思いがけないものが増悪因子となっていたケースもあり、しばしば女性にみられる陰部の掻痒がカラフルに印刷されたトイレットペーパーだったということもあったっ!

 ご本人が気が付いてないケースでも、直ぐにこちらで判明しやすいのは新築に入居したり、リフォームした直後から悪化しているケースはとてもよくみられる。
 なかには部屋に入った途端に目がチカチカする症状が出ているのに、リフォームが原因ではないかと指摘してあげるまで気が付かなかった人もいる。

 このようなケースでは、古い木造の家に引っ越すに限るので強く引越しを奨めても、なかなか事情が許さない。
 最近、そういうケースを再発組や新しく訪れた重症者で遭遇したが、いずれも幸いにも適切な漢方薬の複雑な配合で急速な寛解をみて、引越しせずに済ますことが出来た。

 再発組みでは、以前配合していた数種類の配合ではまったく効果が出ず、配合方剤中の黄連解毒湯のみを廃止し、そのかわりに正しく白朮が使用された加味逍遥散製剤に切り替えると超速効が出た。

 同一人物でも、情況が異なると以前効果があった配合では無効となるケースは珍しくはなく、配合方剤中の僅か1方剤を適切なものに変えるだけで再び速効が得られることはザラにある。

 情況に応じた微調整、すなわち弁証論治、ベンショウロンチと言い続ける所以(ゆえん)である。

 しかしながら、このような新建材に囲まれた最悪な環境因子に漢方薬で必ず克服できるとは限らないので、デリケートなアトピー性皮膚炎の患者さんたちは、それぞれに異なる増悪因子から、できるだけ遠ざかるべきであることは言うまでもないはずである。

子ツバメのお食事タイム
子ツバメのお食事タイム posted by (C)ヒゲジジイ



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