2010年06月30日

六味地黄丸製剤の地黄は原点では熟地黄であっても乾地黄が望ましい

トンビ
トンビ posted by (C)ヒゲジジイ

 昼食時にやって来られた常連さんが、受付嬢と談論風発、老婆達のお喋りは聞くに堪えない(苦笑)のでカメラを持って庭に出ると電柱の天辺にトンビがいたっ!

 曇天の逆光だが、連写に連射を重ねて千枚近くを撮った。

 昨日は一日中、朝から閉店まで千客万来で、危うく突然死の不安を抱くほど疲労困憊。その挙句に夜中の悔しいW杯の結果に眠れぬ夜を過ごした本日。
 W杯の敗戦ショックの影響か、昨日とは打って変わって混雑もなく、のんびりとした来客ばかりであるが、相変わらず紫根(シコン)の問い合わせが五月蝿い。

 それはともかく、本題の「六味地黄丸製剤の地黄は原点では熟地黄であっても乾地黄が望ましい」という個人的な見解であるが、清熱滋陰、涼血止血の乾地黄を使用した六味丸は、本来邪道のはずであるが、村田漢方堂薬局にとっては、願ったり叶ったりである。

 理由は簡単、六味丸をアトピー性皮膚炎の体質改善に利用する機会が多いからである。
 これが原点通りの熟地黄であれば、滋陰養血や益精の効能はよいとしても微温の性質はアトピー性皮膚炎の体質改善により適切なケースもなしとしないものの、多くは乾地黄の清熱滋陰の効能こそ便利なのである。

 乾地黄を使った六味丸製剤を製造されている某メーカーさんが、しばしば熟地黄を使ってないことで原点と異なる製剤は使用できないと非難されて困っている風であったので、別に弁護してあげるつもりもないが、村田漢方堂薬局では現実に、乾地黄を使用した六味丸こそ重宝しているので、敢えてブログに書く気になった。

 すべて原点に忠実なのが良い製剤とは限らず、常に書いているように、芍薬甘草湯などが典型例である。
 原点では芍薬と甘草は同比率であっても現実的には不都合なことが多いので、芍薬は多量に用いても、その割りに甘草をウンと減量するのが中医学では常識である。

 中医学では常識的なことが日本では非常識となるから困るのである。その証拠に猫も杓子も、芍薬と甘草が同比率の製剤ばかりが各社から製造されている現状。いいかげんアホかいなと呆れるばかり。

 これが日本漢方の幼稚な現実である。

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DSC_8717 posted by (C)ヒゲジジイ

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