僕は●●●に住む・・歳の大学生です。
浪人中の2003年9月に微熱(37度から37度5分)が続くようになり勉強が手につかなくなって内科を受診、血液検査をするも異常がなく、紹介された心療内科でストレスによる自律神経失調症と診断されました。
精神安定剤を投与されましたが全く効果がなく、その上中学生の時になおったはずのアトピーも再発、結局その年はまた落ちてもう一年浪人となりました。
その後も心療内科を何件か回りましたが一向に進展がなく、西洋医学に見切りをつけて漢方に切り替えたもののこちらも進展なし。
そのうち熱よりも首と肩のひどいこりに悩まされるようになり、しんどくて勉強も1日数時間程度しかできませんでした。
結局志望校を下げることで何とか大学には入れたものの、受験が終わっても身体の不調は続き、大学生活にも満足に授業やレポートがこなせず単位を落とすなど支障がでています。
肩こりはなおったものの2005年以降は胃腸が弱くなったようで著しく体
力が落ち、非常に疲れやすく30分軽く外出しただけでフラフラになるような状況です。
他にも辛い症状としては顔を中心に出るアトピー(真っ赤で熱を帯びた湿疹がでる、鼻も赤い、最近は下半身にもよくでる)、嫌な夢を非常によくみる(寝汗もかく)、朝起きられない(起きるのが10時か11時)、非常に疲れているとき顔が猛烈にほてり、アトピーが悪化する、手足が冷える、などです。また食欲はそこそこあり、軟便ぎみですが時々便秘になります。
現在は▲▲の・・・・・・・・・・・という日本漢方専門の医院で診ていただいています。
処方は補中益気湯と抑肝散加チンピ半夏にケイガイとレンギョウを加えた合方、熱をとるための黄連解毒湯が基本で、1週間前に夢見に甘麦大棗湯を頂きましたがこれはほとんど効果はありません。
漢方をはじめた頃は煎じていたのですが大変なので今は・・・のエキス剤です。
ここでお世話になって5ヶ月ですが一進一退でなかなか体力があがらず、先生によれば補中益気湯は年単位で飲んでいかなければならないとのことです。
そういうものなのでしょうか。
どこへいっても効果があがらず本当に困っています。下関まで伺おうかとも思っているほどです。
どうかご助言お願いします。
ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復
一番血気盛な年齢時に様々な症状でお悩みのご様子、小生も20歳頃一年半以上、最悪の時代を経験していますので、かなりお察しできる部分があります。
ところで、5ヶ月以上漢方の投与を受けているそうですが、なかなか漢方のピントが合わないこともありますので、本来なら、同じところで頑張って見るのが最善だと思います。
しかしながら、やや気になる点が、日本漢方専門というところです。
日本漢方は、パターン認識が主体の医学・薬学です。
これはこれで問題はないのですが、基礎理論が不完全な為に理詰めの考察がほとんど出来ない医学・薬学となっています。
しっかりとした中医学理論を中心に習得されている所へ移った方がよいのかもしれません。
直接知っている先生ではありませんが、たとえば
●●●●●●●
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この先生は、噂では日本漢方から中医学に転向された先生だとお聞きしています。
中医学も日本漢方も同等に習得されている先生の方が、融通がきくように思うのでご案内したわけですが、他の方では、ここに通い詰めても治らなかったというメールを頂いたことがあります。
でも、その方は治るまで続けなかったから治らなかったのかもしれません。
以前、他のクリニックをご紹介して失敗したこともありますので、上記のクリニックが絶対だということではありません。
専門誌など読んでいて、もしかしたらこの先生なら、とのヤマカンだけです。
アトピーに慢性疲労症候群が合併したようなご様子ですので、なるべくお近くでしばしば通えるところの方がいいと思います。
中医学理論を深くご存知の先生でしたら、直ぐ直ぐにピントが会わなくとも、たとえば7〜10日毎に通い詰めれば、運悪く半年かかっても一進一退ということがあっても、お付き合いが長くなればなるほど、却って精密な分析により、突然素晴らしい配合がヒラメクことが多いものです。
それもあてずっぽうではなく、長期間のお互いの努力によって、解けなかった数学の難問が解けるように、しっかりとした中医学的根拠をもって分析・解明とともに適切な漢方薬の配合が閃くのです。
小生自身、こういう経験を毎年必ず数人の人で経験していますので、なかなかしっかりと漢方薬のピントが合わない人でも、同じ先生のところで、根気よく頑張って見るほうが、近道のような気がします。
ただし、繰り返しになりますが、弁証論治という理詰めの分析が可能な中医学理論を駆使できなければ、それも不可能かもしれません。(パターン認識だけでは限界があるということです!)
努力されれば、きっとそれなりに報われるものと思いますが、完璧は臨むべきではないかもしれません。
腹八分といわれるように、なんでも8割適えれば最高で、それが長期に持続できることこそ大事だと存じます。
真の漢方の素晴らしさは、長期間苦労されてようやく良い結果が得られた人こそ、実感されているようですよ。
頓首
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