
庭の害虫駆除係のスズメさん posted by (C)ヒゲジジイ
長年塗布し続けたステロイド外用剤を中止すれば、さもアトピー性皮膚炎が治るかのように、昨今「脱ステ」という言葉を見聞きする。
とりわけネット上で氾濫している言葉らしく、脱ステ関連のブログに詳しいアトピー患者さんによれば、長い期間様々な民間療法を交えながら「脱ステ」を試みながら、ほとんどの人が目立った効果もない。
のみならずリバウンド地獄に陥ったり、いつまでもアトピー性皮膚炎を遷延させて不毛な戦いに明け暮れているケースが多いという。
こられの情報を提供されたご本人は、村田漢方堂薬局の漢方薬を続けること半年以上の苦労がようやく実って、明らかな効果がようやく見え始めた人である。
同じ重症のアトピーであっても、40日後には顕著な効果があらわれ、見かけ上は既に9割は寛解という運のよい人もいるが、だからと言って一年以上の季節的変化を観察しなければ、そのまま猛スピードで完全寛解するとは限らない。
アトピー体質を根本から改善するためには常に折々の弁証論治が欠かせないが、それでも漢方薬を適切に用いる限りは「脱ステ」なんて考える必要は皆無である。
なぜなら、漢方薬の効果が出るにつれ、ステロイド外用剤の塗布は次第に遠のくし、短期間で顕著な効き目が現れた場合には、極めて短期間に自然な脱ステが行なわれることも珍しくない。
と言っても、多くは半年〜一年くらいかけて自然にステロイドの塗布回数がいつの間にか激減する。
要するに村田漢方堂薬局に真面目に通い詰めれば、いつの間にか無理なく脱ステ出きるわけだが、漢方薬の効果によってステロイドを塗布する必要がなくなって来るのだから当然のことだ。
根性と根気があり、実際に定期的に通うことが出来る人では、たとえ関東からでも(実際に2週間ごとに通って来られている人もいる)、隣県からでも、車で数時間以上かけて10〜15日毎に通って来られる人たちもいる。
過去三十七年間の経験から言えることは、このような真摯に努力をされる真面目な人達こそ、臨機応変の配合変化がスムーズに行えるので、たとえ一時的に難航することがあっても、諦めない限りは必ず完全寛解に導けるのである。
わざわざ「脱ステ」という言葉は不要な問題で、弁証論治にもとづく正しい漢方処方の運用こそ重要で、それにはたっぷりと時間をかけた漢方相談が必要になる。
それゆえ、ご相談者が背水の陣で本気の姿勢が見えない限りはお断りするケースは珍しくない。
電話で「ちょっとお訊ねですが・・・」レベルで請け負ったケースは稀で、本当にやる気のある人は、当方のブログやHPを長期間読み尽くした挙句に、予告ナシに突然、決死の覚悟の真剣な面持ちでやって来られた人達ばかりである。
だからこちらも真剣勝負のつもりでへとへとになるまで頑張れるから、こられの人達のアトピーが治って当然なのである。

我が家の庭のドクダミの花 posted by (C)ボクチンの母
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