昨日は失礼致しました。
丁寧な御説明をありがとうございます。
漢方用語がなかなか頭に入ってきませんが,gooleで検索しながら少し自分の身体の状態がわかってきたところです。
夕べは脂っこい夕食(少量ですが)でお腹が張ってしまいました。いつもならゲップをたくさん出しておならが出るまで苦しむのですが,開気丸のおかげで苦 しまずに眠ることができました。(2日続けて眠れています!)
おっしゃるとおり黄蓮湯がなくなるまでは開気丸との併用でやってみることにします。
私のこれまでの病歴を考えると「湿熱」が当たっているように思います。
これから相談できる薬局を探します。まずはネットで近場をあたってみます。
(村田様のように少量づつ処方してくれる薬局が他にもあるのでしょうか?こちらから申し出るしかないのでしょうね。)
またなにかありましたら是非御相談に乗って下さい。よろしくお願い致します。
ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復
今後の漢方治療のヒントとして、当方の三十年以上の経験の大雑把な概略を述べてみます。
難病であれ、ありきたりな慢性疾患であれ、西洋医学治療で難航し、結局は漢方以外にないと決意されてこられる方ばかりの御相談に乗っているわけですが、一部のほんの例外(難病で入院中、医師の許可をもらって御家族が代理で訪れるなどの例外)を除いて、ほぼ全員、かならず一度は直接、ご本人に来局してもらいっていますが、出来るだけ漢方のピントがしっかり合うまで、10日から15日単位で来て頂いています。
慢性関節リウマチやアトピー性皮膚炎、喘息など、胃腸疾患・真正の鬱病などは、案外一二度来局してもらうくらいであっさりでピントが合うことも多いのですが、かならずその後の必要に応じて微調整を行います。
ところが不定愁訴的な疾患や、多種類合併の患者さん、あるいはこれまで各地の病院や漢方薬局を歴訪して治らなかった人の場合、ピントが合うまでに大変難航する場合があります。
しかし、不思議なことに、全体的に言える事は、初回からシャープに漢方薬の効果が出た人というのは、これまで長く病院や多の漢方薬局で苦労した割には、あっさり即効が出たのに肩透かしを感じられるのか、真面目に連用されずに、いつまでも中途半端な服用によって再発を繰り返す人が意外に多いのです。
ところが、10日から15日毎に来局してもらいながらも、ピントが合いかけては、つまり漢方の効果がでかかったと思ったら、真面目に服用しているにも拘らず、また効果が落ちてみたりで、難航に難航を重ねて、しっかりと効果が安定してくるまでに、漢方処方の組み合わせを十度以上も切り替えて、いつの間にか一年近くが経っていたり、中には漢方の効果が2〜3割程度の回復しか得られないのに、かといってあらゆる治療法を試みてダメだったので、そのまま当方の漢方を続けざるを得ない、まったく無効というわけでもないから、ということで数年以上もあれやこれやで頑張っていたところ、ようやく安定した効き目が出るようになって、気がついたら3〜5年も経っていた。
そのように初回から病状の8割が回復するまでに何年もかかってしまった人ほど、逆に漢方薬の価値を心底から認めて下さって、その後も長期間、家族中のあらゆる急性疾患の予防兼治療を漢方薬でなければ、という常連中の常連(変な表現ですが)となっておられる。
そういう方たちこそ、15〜30以上の大変長いお付き合いになっている大の漢方党となられています。
つまり、西洋医学はもちろん、漢方薬でもなかなか解決が得られずに、それでも頑張って漢方薬を続けられて
大変な苦労の末にようやく8割(世の中完璧は望むべきではないと愚考しますのでたとえとしての8割です)がたの解決が得られて、という人こそ、真の漢方薬の価値を認めて下さっているということです。
その長いお付き合いの間には、風邪やインフルエンザ、急性の胃腸疾患などにも、いかに漢方薬が優れているかを折々に体験されたことも、大いに手伝っているのだろうと思われます。
ところが、たとえば関節リウマチなどは、当方の比較的得意とするところですが、さっさとピントが合ってしまう分、その病気だけのお付き合いになることが多く、3年から5年くらい続けてほぼ緩解した時点で中止される方も多く、あるいは予防的に思い出したようにリウマチ用の漢方だけを購入されるという程度の、準常連さん。
以上がすべてではないのですが、時になかなな漢方のピントがしっかり合わないようでも、やや遠方でも直接訪問しやすいところで、一定レベルの中医学と漢方医学の両方の漢方薬の知識のあるところであれば、直ぐに効果がなくとも、根気よく患者さんのほうも同じところに通いつめるという忍耐と努力と根気が必要だと思うからです。
いつも思い出すのが、20年近く前のこと、何ヶ月も10日〜20日毎に配合を工夫するのに、なかなか根治しなかった「滲湿性中耳カタル」で、耳の中から水を何度も繰り返し病院で抜いてもらっていた方が、ようやく麦門冬湯と六味丸の組み合わせで即効を得たのも、ピントが合うまで頑張ってくれたからですが、この配合は、この方にだけした多分通用しない方剤で、この疾患にこの配合で治ったという治験例など聞いたこともありません。
何十回も通い詰めて頂いているうちに、しっかりとした根拠と共に分析できたという当時の自信に満ちた感触だけをよく覚えていますが、漢方薬理学的にみてもかなり不思議な配合です。
当時、ようやく弁証論治のコツを掴めかけていた時期だったので、自分自身としてもこれが弁証論治なのか!?
と得心したような経験例でした。
以前、どこの漢方薬局あるいはクリニックに行けばよいのか分らないからという御質問があったように記憶しますが、貴女様の相性がよさそうだと感じたら、信頼してとことん病気の8割が治るまで、何年でも同じところで頑張ってみることではないかと存じます。
通い詰めるうちに、風邪などの急性疾患にも、意外に優れた漢方薬が多いのを知ることになるでしょうし、本当の漢方の素晴らしさを感じるまでになることだと存じます。
適切なところを見つけるのも重要ですが、それ以上にこれはと思ったところに「賭け」て、あとは根気の勝負のように思います。
なんども繰り返すように、当方での長年の経験から言える事は、なかなかピントが合わない人こそ、頑張るうちにその病気の解決ばかりでなく、真の漢方の素晴らしさを実際に体験できることでしょう、ということです。
要するに、このようなメールの交換だけでは病気は治りませんので、どこか適切と思われる漢方薬局さんかクリニックに「賭け」てみられることです。
漢方薬局やクリニックを様々ハシゴしたところで、却って病気の治療にとってあらゆる面で損失が大きいように思います。
以上、読み返さずにそのままお送りしますので、ヘンテコリンナ文章もあるかと思いますが、ほとんど最後のアドバイスのつもりでお送りします。
しつこいようですが、どこか一箇所に賭けてみることですよ!
頓首
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