2006年03月18日

げっぷ・おなら・不眠(2)

ヒゲ薬剤師のメールに対するお返事:村田様

お返事ありがとうございました。病院に行きなさいと言われたらどうしようとおっかなびっくり,それでも思い切ってメール差し上げたのですが,大変にお優 しい文面でほっとすると同時に大変ありがたく,うれしく思いました。

実は近くにパンダ薬局を見つけ,最近お世話になっています。きっかけは息子の不眠症の御相談からです。
いまかかっている●●薬局(名前をあかしてしまい ます。)さんはお薬が高くてちょっと二人分は無理ですので,ちょうど村田様の「近くで良い薬局を探すべし」という発信を読んだこともあり,思い切って尋 ねてみたのです。

奥さんも御主人もお人柄は大変良く,サービスも大変良いのですが,▲▲がいいかというと,,,,,,?です。

しかしながら,息子のお薬の中に開気丸があり,私もとても気になっていたのです。(「これはとっても評判のいいお薬よ〜」と奥さんが言っていたので)

そして3日前ついにあまりにお腹が苦しいので(眠れないとさらに気になって)開気丸を飲んでしまいました。●●さんからは絶対に他のお薬,健康食品は飲 まないように言われていたのですが。

そしたらスムースにげっぷとおならが出てとても楽になりお腹も少し空いてくるのです。
ええっ,こんなに効くの?と思い次の日もまた次の日も飲んでしまいました。

さて,話が前後しますが,私の症状についての村田様の御見解を読み,正直「えっ?空気嚥下症?」「えっ?そんな軽い病気なの?」「えっ?冷えは?」と頭 の中が?と驚きでいっぱいになりました。

確かにおっしゃる通り,ストレスをかかえやすく神経質,こわがりな性格です。そんなに空気を胃袋に入れているな んて。(めったやたらにという表現に笑いました。)全然自覚がないので,,,

実は4年ほど前に東京の◎◎クリニックにかかったことがあり,その時の診断が『気滞」であったように思います。水分過剰とも言われました。(『茯苓飮」 と「甘麦タイソウ湯」を処方され,不眠症は改善しましたがげっぷはだめでした。)

話が長くなってしまい申し訳ありませんがもう少し疑問点を書かせて下さい。

開気丸をのむことでほてりがひどくなることはないのでしょうか?

●●さんからは,熱が上にのぼるためにげっぷや不眠がおきると説明されていたのですが,そして,確かにほてりがひどい時は夜中に頭が暑くて目が覚めると いうようなこともあったのですがこれはどう考えたらいいのでしょうか?

お忙しいところ申し訳けありませんが教えていただきたく思います。

それからとりあえずは前述のパンダ薬局さんにお話してみようと思います。

経験は豊富そうな方々ですが,四逆散を少量づつ配合ということをやっていただけ るかどうか心配です。もし駄目な場合は仙台あたりで中医学の薬局を探してみようかなと思います。

メールでの御相談にお答えしていただき本当にありがとうございました。

貴重なお時間を拝借してしまい申し訳なく思います。(書き忘れましたが「乾姜」の 丁寧な御説明ありがとうございました。納得です。)
おかげさまで少し明かりが見えてきた気がします。


これに対するヒゲ薬剤師のお返事:拝復

最初のメールでのことですが、「熱が取れたら人参を使いたい」などと奇妙なハナシが書かれていましたが、すでに黄連湯の中には人参が配合されているのに、何をおっしゃいますか?と言いたくなるお話ですよ!

ところで、空気嚥下症のことですが、神経質でこわがりと来れば、恐怖心から「固唾を呑む」時に一緒に空気を沢山、それこそ知らずしらずにシコタマ飲み込んでいることが多いと思います。

すでに開気丸を服用していたとか、それは何よりですが、必ず弁証論治に基づいた相棒となる漢方処方の併用が必要です。

ほてりがそれほどひどいのであれば、一般的には黄連解毒湯や加味逍遙散などが考えられるところですが、
開気丸と黄連解毒湯というのは奇妙な配合ですし、後者の加味逍遙散の併用こそ十分に考えられます。

でもねっ!あるんですよ、そういうことが実際に、貴女様のほてりが実熱であれば、

黄連解毒湯と開気丸の併用でドンピシャ、ということも大いにあり得るのですから、漢方薬は微妙です。

四逆散の親戚の加味逍遙散が妥当なようにも思えますが、この辺は、微妙ですね。

人間の身体は、極端に言えば、五臓六腑それぞれに、寒熱・虚実に違いがあり、また湿燥にも違いがあります。

そんなにほてりがひどいのですか?

開気丸がよけいにほてりがひどくならないか?との御質問ですが、開気丸は温性の中薬が主体の配合ですから腹部を温める作用が当然あり、単独で用いている場合は、ほてりに悪影響する場合も、無いわけではありません。

しかしながら、バランスのよい相棒の漢方処方と併用すれば問題はありません。

何せメールの文面だけで、ご本人に会わずに類推するのは限界がありますよ。

はっきりいえることは、げっぷにおならとくれば、中医学をやっていれば誰でも「気滞」と判断がつくものです。

ほてりについては、実熱か虚熱かの区別が必要ですが、メールだけでは判断できません。

繰り返しになりますが、特に強調しておきたいのは、人間の身体は一個人において、五臓六腑それぞれ、寒熱・虚実に違いがあり、また湿燥にも違いがあるので、綿密な判断が要求されます。

>>熱が上にのぼるためにげっぷや不眠がおきる

という解釈は、不眠にはなりたっても、げっぷとは無関係だと思います。

クリニックの診断では、気滞のみならず水分過剰と言われたのならば、それが正しければ、温胆湯や釣藤散まで考えられます。

少なくとも開気丸を当分の間は基本方剤として、これに何を併用するかが大問題でしょう。

加味逍遙散か釣藤散の併用か?この辺らしくも思えるのですが・・・・・・・・?

やっぱり、ご本人に会わずに考えるのは、この辺までが限界ですよ。

首の真裏がこれば、葛根黄連黄芩湯と開気丸といことも大いにあり得るし、憶測すればきりがない、メールでの御相談の限界ですね。

四逆散に拘らず、直接訪問できる確かな専門家に、10日毎に根気よく通い詰めて、しっかりとピントを合わせてもらうことが最善でしょう。

直接会えば、一瞬にして判明、あるいは30分かかって判明(笑)ということもありますので、なるべく中医学知識の豊富な専門家のところで、直接会ってしっかり御相談して下さい。

以上、迷走的なお返事まで。

頓首


これに対するお返事:お返事さっそくにありがとうございました。

ほてりの件ですが,今は日に2,3回上半身がじわーっと少し熱くなる程度です。(動いた時や,暖房で主になります。)●●さんのお薬を11,12月と中 止したらかなり収まっていたほてりがまた復活して,その時は夜中に目が覚めると頭が熱かったり,ストーブの前にいると熱くなり息苦しくなりました。

そういえば風邪をひいて熱を出したあとからひどくなったのを今思い出しました。

お薬を再開したらかなり楽にはなりました。でもきちんと直してしまわないとまた復活するのではという不安があります。

それから舌はぼってりして白っぽく,真ん中辺が黄色で周りは歯形があります。黄色は少しづつ薄くなってはいます。
寝ている時によく舌をかみます。

首の真裏がこるというのはないです。不眠の時は首や肩が詰まってきますが,普段はないです。

参考までに◎◎(クリニック)さんで出されたお薬はその後「半夏厚朴湯」,「抑肝散加陳皮半夏」,「香蘇散」と変えられましたがどれもだめでした。

温胆湯や釣藤散は試してないです。

村田様,迷走的どころか大変に参考になりました。そして勉強になりました。

信頼できる薬局を探すのは地図のない旅に出るようなものですね。中医学という方角は決定してはいますが。

村田様のかかれていた信頼できるクリニックというのは××さんでしょうか?××さんより◎◎さんの方が安かったので◎◎さんにかかったのですが,そのけちがいけなかったのか結局随分お金と時間を無駄にしています。ばかですね。

ホームページを見てもなかなかわかりません。どうすれば情報が集められるでしょうか。当たってみるしかないでしょうか?

また御迷惑を承知で書いてしまいました。お許し下さい。


折り返しヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復

ご推察の通り、関東のフラツキを主訴とする女性を××先生に行くようにアドバイスしていたのですが、結果はトンデモナイ結果で、出された漢方薬で胃にもたれると申告したところ、三度目には八味丸を処方されたので、患者さんはとうとう見切りをつけて、ホテルを予約して、とうとう下関までやって来られましたよ!

この方も、これまで各漢方薬局や漢方専門の医院や病院を転々として治癒せず、とうとう下関まで下ってこられたのですが、まだ3割程度しか改善していません!ムムッ

ところで、あなたの舌の状態の報告からは、気虚・気滞・水滞に湿熱を伴っているようですね。つまり脾湿があるということは確かのようです。http://murata-kanpo.ftw.jp/u44307.html

黄連湯がほてりに有効なのであれば、単純に黄連湯に開気丸で様子をみるのもアリですよ。

ほてりの原因は気虚発熱の類か、あるいは湿熱による熱か、どちらかは分りませんが、いずれにしても、

気虚によって気滞および水滞が生じ、この状態が鬱積して湿熱を伴うようになったのだろうと推測されます。

この解釈にもとづいて配合される方剤は、かなり絞れて来るはずですが、それでも様々に考えれれるから中医学は微妙で複雑です。

またまためーるのみによる迷想ですが、一定レベルの先生のところで、とことん付き合ってもらうつもりで10日毎にぴったり合うまで頑張ることです。

当方でも、毎年一人二人くらい、ピントが合うまでに数ヶ月から最高10ヶ月かかったケースが出てきます。

皆さん、行き場を失っているから、なかなか合わない場合でも頑張ってくれるから、最終的には何とかなっているのです。

あなたの場合も、どこか決めて、とことん治るまで微調整をしてもらうことが最善だと思います。

頓首
  
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posted by ヒゲジジイ at 16:10| 山口 ☔| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする